第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはA's 〜永遠の夢、有限の現〜
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してきた。
かつてシグナムたちが蒐集した巨大生物だ。
それが三人に迫り、絡みつき、その体を締め付けようとせまる。
「ダァアッ!!!!!!!!」
ダゴン!!!!!
しかし、蒔風が地面を踏みぬき、振動が一体を揺らす。
その衝撃に本体の蟲も、触手も、ぐったりと倒れてしまう。
「夢の中でだと?そんな甘いことを、このオレが許せるとでも?バカなこと言ってんなよ!!人は誰でも生きてる限り、傷付き、絶望し、別れに涙を流していく。ああ、確かにはやてに振りかかったことは悲劇だ。それは悲しむべきことだ。慈しんでやるべきことだ!!だけどな、それから眼を逸らしていくなんてことは俺は認められない。はやてが目を逸らして、夢の中ににげちまったら、ヴィータやシグナム達の頑張りが全部なかったことになっちまうじゃねえかよ!!!!あいつら何のために必死になったのかわかんなくなっちまうじゃねえかよ!!!誰もが直面し、乗り越えていくことをお前だけ都合よく避けるなんてことは許さない!!!乗り越えて、強く生きろよ!!逃げるなんて軟弱な生き方は認められない。そんな生き方は誰も救われない!!!!俺の友人はな!!誰もが救われてなきゃいけねえんだよ!!!!!!」
だがその叫びに闇の書は諦めた口調で言い返す。
「そのようなことは知らない。私はただ主の願いをかなえるだけ」
「願いを叶えるだけ!?そんな願いを叶えて……それで、はやてちゃんは本当に喜ぶの!? 心を閉ざして・・・何も考えずに、主の願いを叶えるための道具でいて、あなたは、それでいいの!?」
なのはが叫ぶ。
なるほど、それは正論だ。
だが、悲しいことに彼女には、それだけの時間がなかった。
自己が芽生えるだけの十分な時間がなかったのだ。
いや、自己はきっとあるのだろう。
その証拠に、その瞳からは涙が流れていた。
しかし彼女はまだ、自己を認識することが出来ていなかった。
「我は魔道書、ただの道具だ・・・」
「だけど、言葉を使えるでしょ!心があるでしょ!?そうでなきゃおかしいよ、ホントに心が無いなら・・・泣いたりなんか、しないよ!!」
「この涙は主の涙、私は道具だ、悲しみなど・・・無い・・・」
その言葉に、フェイトが感情を爆発させる。
それはきっと、かつての自分の姿をそこに見たからだろうか。
「悲しみなど無い?そんな言葉を、そんな悲しい顔で言ったって……誰が信じるもんか!! 」
その言葉を蒔風がつなぐ。
「お前に心がないのなら、お前のその「主の為」と言う願いはなんだ!!!ここまで俺たちに執着して、それでもお前が俺たちを潰そうとしているのは、それがお前の願いだからだろ!?主のために願うその心が、ただのプログラムなわけない
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