第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはA's 〜戦いの転機、狂気の叫びなの〜
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ートルはあろう岩場が、土砂崩れの後のように粉々に砕け散った。
さらに蒔風が首根っこを押さえつけ、地面に男を寝かせると、拳を振りかぶり、思いっきりそれで殴り潰す。
その拳は顔面ではなく、男の右腕を捉え、骨と肉を一つの塊にしてしまった。
「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!」
男の悲鳴が響き渡る。
そして蒔風が鮮血に彩られて、瓦礫の中から出てきた。
男はその場に置き去りにされている。
蒔風の顔はもはや狂気に満ちていた。
いや、これもまた彼の顔の一つだ。
すべてを理解する彼は、狂気ですらもその身に宿す。
最高の理性に、最凶の狂気。
その二つを持ってすべてを理解する彼の、黒い部分がまさにこれだ。
もし彼と「奴」の立場が逆なら、おそらくこの姿になっていただろう。
そしてその姿にシグナムは戦慄した。
恐怖が体を駆ける。
全身の肌がざわつく。
すべての髪の毛が逆立った。
これは本当に小学三年生の少年なのか?
これはあの時軽快に笑いながら私たちと戦った少年なのか?
そのとき、シグナムの脳裏にあるフレーズが響いた。
《救世主にして破滅の者》
すなわち
「翼・・・人・・・・」
今なら信じられる。
この少年は間違いなく伝説の通りの人間だ。
いかなる概念にもカテゴライズされない、たった一人の存在。
すべてを理解するものであり、誰にも理解はされない少年。
その少年の後ろで、男が死にかけの声で言った。
「私に・・・・ダメー・・・を与えても・・・駄だ・・・」
そう言って男の姿が消えた。
「ど、どこへいった!!!」
シグナムがその姿を探し始めるが、もはや影も形もない。
そんなシグナムに、少年が声をかける。
「なあ・・・・ちっとつき合ってくれねえか?」
「・・・・なに?」
「あのバカのせいでプッツリとキててね・・・・あんたいわゆる一つのバトルマニアってやつだろ?だからさ」
蒔風がギチギチと話す。
その眼には、必死になって狂気を抑え込み、一歩手前で止まっているのがうかがえた。
「ちょっと、憂さ晴らしの相手してもらうぞ!!!!」
「くっ!!!!あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「あはははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!」
シグナムが蒔風に突っ込んでいく。
そこで蒔風が感情を抑え込むのをやめた。
戦闘狂(バトルマニア)と狂戦士(バーサーカー)
タイプの違う、戦いに狂うものが衝突した。
------------------------------------------
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ