暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはA's 〜戦いの転機、狂気の叫びなの〜
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ピードは速く、シグナムの方が技量は上だ。

だが、息が上がり、肩が上下している。
おそらく、ここまで来るまでに一切の手を抜かないスピードでの戦闘が繰り広げられていたのだろう。

両者とも身体から血を滴らせており、体力も限界に近い。



(ここにきて・・・なお速くなるか、テスタロッサ。目で追えない攻撃が出てきた・・・長引くのは・・・まずいな)

(強い・・・近接戦闘(クロスレンジ)も中距離戦闘(ミドルレンジ)も圧倒されっぱなし・・・スピードで引っ掻きまわせている今はいいけど・・・これ以上時間をかけるのは・・・舜、クロノ、まだなの?)


互いに互いを牽制し合い、構えたままビシリと動かなくなる。
どう動くかを目で追っていく。
さらに相手の目の動きを見て、自分の動きを上書きしていく。

砂が流れて、一瞬だけ静かになって、そして・・・・


「うあああああああ!!!」
「はあああああああ!!!」


両者共に飛び出し、剣を振るう。
その剣が火花を散らしてぶつかり合う!!!!

が、


「ガッ!?ハッ!!!」

それよりも早く、フェイトの身体を貫いた物があった。

それは左腕だ。
空間魔法で歪められたフェイトの体内を、先ほどまで蒔風の目の前にいた仮面の男の左腕が貫いていた。
そしてその腕の先にはフェイトの金色に輝くリンカーコアが握られている。

「貴様ぁ!!!!」

シグナムが激しく激昂する。
二人だけの勝負に、異物が乱入し、戦いを穢されたのだ。。
騎士として、そして武人として、シグナムの全細胞が怒りに震えていた。

だが仮面の男はそんなことは気にもしない。

「こうやって奪われる・・・世界最強もなんてことはないな」

そう言ってからシグナムに一瞥する男。
不意打ちとはいえ、自分と同等か、それ以上の実力であるフェイトを沈めた男に、シグナムが身構える。
だが仮面の男は遠くに何をするわけでもない。

空間が固まった。



そこに轟く獣の叫び。

「貴様ァァァァアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

ゴキャアッ!!!!

男の背後に瞬間移動でもしたのか、現れた蒔風がその後頭部に回し蹴りを食らわせる。
だが、男はすでにその場にはなく、少し離れたところに退避していた。

「遅かったな。だがもぶっ!!??」

退避した男の言葉はそれ以上続かなかった。
男が退避したその先がわかっていたかのように現れた蒔風が、男の頭を掴み、後ろの岩場に叩きつけたからだ。

後頭部を、この世のすべての衝撃をかき集めたのではないかという程の力で叩きつけられた仮面の男。
その仮面の下から血が噴き出して地面を赤く染め上げる。
蒔風が男を叩き付けた高さが百メ
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