SIDE:A
第二話
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「死傷者はいないようじゃな。外壁近辺だったのが不幸中の幸いじゃ。このまま城壁の外へ追いやるぞ! 儂が術を完成させるまで攻撃の手を緩めるでない!」
「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」
他の暗部と混じって分身体であるハルトも加勢していた。
創造忍術の他にいくつか忍術を習得したが、多くが支援を目的とするものばかりで殺傷性の高いものは未習得である。しかも相手はあの九尾。Aランク以上の高等忍術でないと焼け石に水だろう。そんなハルトに出来ることといえばサポートに回ることだ。
「火遁 火龍弾の術!」
「風遁 真空大玉の術!」
「水遁 鉄甲水弾の術!」
暗部の忍たちが四方八方から忍術を仕掛ける。他の中忍、上忍たちも手裏剣やクナイ、起爆札などを投げつけダメージを与えようとしていた。
『こしゃくなぁ!』
群がる羽虫を一掃するかのように九尾が大きく手で薙ぎ払う。
その風圧だけで放った忍術や忍具が掻き消され、あらぬ方向へ逸れた。
「なんだと!?」
目を瞠る忍たちの目の前に巨大な腕が迫る。
「おおおおぉぉぉぉぉぉ――ッ!! 土遁 多重土流壁×三!」
素早く印を組んだ分身体が地面に手をつけると、地面が盛り上がり大きな壁を形成した。力が分散するように九尾の手首、腕と関節部に当たるように三つの防御壁を設置する。
しかし拮抗は一瞬で、あっけなく土壁をなぎ払った。
「くっ、やっぱりダメか!」
「いやよくやったっ! 伸びよ、猿魔ァァァアア――!!」
分身体の背後から胴周りほどの太さを持つ黒い棒が伸び、九尾を外壁の奥へと押し出した。
振り返るとそこには大きな棒を腰溜めに構えた三代目火影、ヒルゼンの姿があった。
「三代目様!」
「よし、奴を里の外へ追いやった! 皆の者、総攻撃を仕掛けるぞい!」
「「「「「「「「はっ」」」」」」」」
「三代目ー!」
その時、街の方角から本体のハルトを背負ったミナトがクシナを伴って跳んできた。
本体のハルトは暢気に手を振っており、分身体は一瞬脱力しそうになる。
「ミナトか! 主、今までどこにいたのじゃ!」
「三代目、恐らくこの事件の裏で手を引いていると思われる人物と接触しました。残念ながら捕らえることはできませんでしたが、九尾の封印が解けたのはその者が原因だと思います」
「むぅ……。クシナくんの容態はどうなんじゃ?」
「大丈夫です。それについては後ほどハルトから説明があるようなので」
「そういえば、なぜハルトがここにおるんじゃ?」
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