SIDE:A
第二話
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数十の印を結び、午の印で締めくくると、ハルトは高々に声を張り上げた。
「創造忍術 人魔主従契約の陣!」
ハルトの足元に巨大な魔法陣が出現する。円の中心には六芒星が描かれており、幾何学模様のような複雑な文字がビッシリと刻まれている。
一種の芸術のような陣の中に九尾を収めると、魔法陣は蒼白く発光を始めた。
「これは、結界術? 封印術にも似てるけど……」
「こんな大規模な結界術見たことないわ。うずまき一族の秘術にもこれほどの術はないわよ……。あとで聞くことが増えたってばね!」
「クシナ、口癖が出てるよ……。あ、三代目」
もはや驚愕を通り越して呆れた様子で息子を見守っていると、忍装束姿のヒルゼンが暗部を引き連れて駆けつけてきた。
ヒルゼンは目の前の光景に大きく目を見開いた。
「これは一体……! なぜハルトが九尾と一緒に陣の中におるのじゃ!?」
「あの子が自分で張ったんです。どうやら結界の一種らしく、僕たちでは中に入ることができません」
魔法陣に手を伸ばすと、透明なガラスのようなものに阻まれてしまう。
ヒルゼンは魔法陣の中で動かないハルトたちに目を向けながら小さく唸った。
「これをハルトが? 儂も知らぬ結界術に、この膨大なチャクラ。一体ハルトに何が起きてるんじゃ……?」
ミナトたちは陣の外からハルトを心配そうな、不安げな面持ちで見守った。
「ハルトに危険が及ぶようならすぐ介入できるようにしないと」
「ええ、そうね。ハルトは私たちが必ず守ってみせるわ」
† † †
(よかった、無事発動したか)
この日のために何度も設定に穴がないか確認したが、やはり不安は拭えなかった。無事に陣が起動して第一関門はクリアだなと安堵のため息を零した。
自分たちを囲む魔法陣を見回した九尾は「ふんっ」と鼻を鳴らす。
『結界術か。お主の歳でこれほどの規模の術が使えるとは、流石は忌まわしいあの女の血を引くだけはある』
(あの女って母さんのことか? まあ九尾からすれば長年封印してきた相手だから恨むのは当然だよな)
まあ俺も同じ穴の狢だけど。ハルトは自分を睨みつける九尾に向けてニコッと微笑みかけた。
「まずは自己紹介だな。俺はうずまきハルト! 君の名前はなんていうの?」
『ふんっ、誰がお主に教えるものか。この鎖が外れたらお主を喰ろうてやる!』
「えー、美味しくないよ〜」
にへっと相好を崩すハルト
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