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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
三話 昔の話
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掴んでいたノーヴェの右手首を掴み……一本背負い。
「よっ……と……」
対しノーヴェは投げられる寸前に自らの意志で地を蹴り、腕に掛かる負担を減らす。
投げっぱなしによって空中でほぼ一回転したノーヴェに対し、クラナは追撃せずに構え直す。その顔は苦い。
「ふぅ……『クラナ、どうした?ギャラリーだけで緊張する程のタマでもねえだろ?』」
「……『……すみません』」
振り返ったノーヴェに、クラナは頭を下げる。先程の一連の動きはだいたい一秒程度で行われた物だが、開始時点で不用意に大振りしすぎたせいでお世辞にも良い動きとは言い難かった。特に最後は、あれが実戦であるならともかく、スパーリングでは受け方や出し方を間違えると腕を痛める為、あまりすべきでは無い技だった。
まあとは言え……
「けどま、相変わらず動きは申し分ねえよ。大したもんだ」
「……ありがとうございます」
深々と、クラナは頭を下げる。誉められた事は素直に嬉しくないわけはない。
無表情だが……
「(やり合ってる時はもっとなぁ……)」
ノーヴェはそんな事を思いつつ、吐き出しかけた溜め息を飲み込んだ。
自分と打ち合っている時の彼にはもっと活き活きとした物を感じるのだが、終わった瞬間消えてしまうそれに、何となくノーヴェはモヤモヤとした物を感じた。
「それじゃ、これまでにすっか?」
「え……」
ノーヴェに言われて、クラナは少しだけ面食らったような顔をしつつ、天井のデジタル時計を見る。
既にスパーリングを始めてから、三時間以上が経過していた。休憩もなしにぶっ続けでだ。
此処に来た時には既に二時半を過ぎていたし、今はもう六時半を過ぎていた。此処は七時には閉まるので、クールダウンなどを考えればもうやめるか、あるいは後一本短いのをするのが賢明だ。
「あいっ変わらず遣ってる間は時計見てないんだな」
「……す、すみません」
苦笑したノーヴェにそう言うと、クラナはもう一度深々と頭を下げる。
「ありがとうございました!!」
「おうっ」
そのまま、クラナは更衣室へと消えた。
「ふぅ……」
「お疲れッス」
「おう、サンキュ」
リング上から出てきたノーヴェに、ウェンディがタオルを渡す。
それを受け取って体に付いた汗を拭き取り……と、ウェンディがノーヴぇに声をかける。
「チビっこ達、効果適面見たいッスよ」
「ん?」
言われてノーヴェが目を向けると、そこでは何やら盛り上がっているチビッ子三人組が居た。
「よっ」
「あ!ノーヴェ」
「「お疲れ様です!」」
声をかけてやると、真っ先に自分に背を向けていたヴィヴィオが可愛らしく微笑みながら振り向く。リオとコロナは同時に頭を下げる。
「なんだ?何盛り上がって
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