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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
三話 昔の話
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「……ただ」
しかして、このようないささか強引な手法を取られて、ただ素直に「分かりました」と言うのは、なんとなくクラナのどこか子供っぽい部分が嫌がる。
故に、彼は一つだけ皮肉を放つ。

「……其処の四人は、人の顔ジロジロ見るのは失礼に当たるって、年長者から教わらなかったんですか?」
侮蔑を込めて睨み付けると、ウェンディは苦笑しながら頭を掻き、チビっ子三名は一瞬身体をビクッと強ばらせた後に申し訳無さそうな顔で俯いた。

「やれやれ……」
相も変わらずな彼の態度に、ノーヴェは溜め息を付きながら若干真剣な顔でクラナの横顔を眺めた。

――――

中央市街地第4区、公民館。

ミッド中央市街地の第4区は元々、公園や公民館等を初めとする施設が多く並び、市民にとっては一つの大きな憩いの場として利用されている地区である。

その公民館の中に置いて、第一運動場に続くスペースを取って、その施設はあった。

格闘戦技練習場(ストライクアーツ・トレーニング・スペース)
数面ある長方形の模擬戦用リングを中心に、橋には筋力トレーニング用のジムなどが並び、専属トレーナーが初心者を手取り足取り……はて、どういう訳かこの手の言葉に、卑猥な妄想を浮かべてしまう方が居るとの事であるため、このくらいにしておこう。

その一角、更衣室にて、ヴィヴィオ達三人は着替えながら会話を交わしていた。なお、彼女等の現在の格好について詳しい描写を入れる事は、彼女達の尊厳の厳守と諸々の事情により、作者としても苦悩の末に伏せさせて頂く事を、読者諸君においては理解されたい。

「ちょっと怖いけど……でも強そうな人だよね!」
「うん。少し格好いいかも……なんて思ったり」
リオの言葉に、コロナが返した。話題は彼女達に取っては今日一番に刺激的な事。
あまり彼女達には関わりの無い男子生徒である、クラナについてである。

「先輩は、ノーヴェさんとスパーリングしに来たんだよね?て事は、やっぱり先輩もストライクアーツ強いの?」
「うん。強い……って、ノーヴェは言ってた」
「……?」
リオの問いに、頷きながら、しかし今一歯切れ悪く答えたヴィヴィオにリオは首を傾げる。

「言ってたって……」
と、言いかけて何かに気付いたようにリオはハッとした顔をする。コロナも気付いたようで、少し申し訳無さそうに俯いた時、ノーヴェの声がした。

「さ、いくぞー」
「「「は、はーい!」」」
助かった。とばかりに反応した三人は、元気よく練習場へと歩き出した。

――――

さて、此処でストライクアーツについて軽く説明しておこう。

ストライクアーツは、ミッドチルダにおいては最も競技人口の多い格闘技であり、広義
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