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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
三話 昔の話
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、共に暮らし始めてから、四年も経つと言うのに、彼女はいまだに、クラナとの距離が測れずにいた。
────
「ふぁ……」
欠伸をしながら、クラナは天井を仰ぐ。ミッドチルダ中央市街地へと向かう列車に乗って十数分。この季節だと日差しも明るく柔らかで、だんだんと眠くなってくる。
『相棒、次の駅です』
『分かってるよ。大丈夫』
アルの忠告を聞きながら、クラナは詩人の前に表示させた小さなホロウィンドウをスクロールする。
『覇王……か』
『?あぁ、最近ネット上で噂になってるストリートファイターですね』
『うん……まぁあくまで噂だけどね。情報もはっきりしないし』
『というと?』
アルに聞かれて、クラナは苦笑する気配を漏らす。
『筋骨隆々のマッチョマンだとか、身長三メートルの大男とか、あ、小さな女の子だって話もある』
『最後のは狙いすぎかと』
『同感』
そんなことを離している間に、列車は駅へと到着した。
────
改札を降りると、自分を呼び出した張本人。時空管理局救助隊に所属する現役魔導師であるノーヴェ・ナカジマと、何故かその妹のウェンディ。それと……
「おっ、来たな……?」
「こっちッスよ〜、クラナ〜」
「…………!?」
何故か何故かもう三人。
「お、お兄ちゃん!?」
「クラナ先輩?」
「へ?ヴィヴィオのお兄さん?」
灰色がかった銀髪のコロナ・ティミル。黒髪八重歯のリオ・ウェズリー。そして……妹こと、ヴィヴィオの姿があった。
「……帰ります」
「オイオイ!待て待て待て!」
「おぐっ……」
即座にはめられたと察し、反転して改札口に向かおうとしたクラナの首根っこを、ノーヴェが掴む。ガクンと首を揺らして止まったクラナに、ノーヴェは言う。
「スパーの相手してやるってのはマジだから安心しろ、代わりにチビ共が横にいるの我慢するだけで良いんだよお前は……」
「…………」
『流石!ナカジマ家流ゴーイン術ですね!』
デバイスが何かうるさい。
これ結構卑怯じゃないか?とも思わないでも無かったが、現役救助隊員とスパー出来る機会がめったに無いのも事実であり、その経験は貴重な物だ。此処で逃すのは惜しい。
第一……
「「「「(キラキラキラ……)」」」」
「…………」
先程からチビっ娘三人と、約一名のデカい娘がクラナの事をやたらキラキラした目で見ていて凄く帰りづらい。ヴィヴィオは控えめだが、他三人は全くお構いなしだ。目を合わせたら目潰しされるのではあるまいかと思うほどキラキラである。
やがて、大きく溜め息を尽きながらクラナが呟くようにいった。
「……分かりました。行きましょう」
「おっ、よーし」
「「「おぉーっ!」」」
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