プロローグ〜特科クラス”Z組”〜後篇
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「―――よくわからないが。貴族というのはそんなにも立派なものなのか?」
ガイウスが一歩前に出て静かな表情で問いかけた。
「っ……!?」
「ガ、ガイウス……?」
ガイウスの指摘が予想外であったパトリックは驚き、エリオットは戸惑った。
「そちらの指摘通り、オレは外から来た”蛮族”だ。故郷に身分は無かったためいまだ実感が湧かないんだが……貴族は何を持って立派なのか説明してもらえないだろうか?」
「な、な……き、決まっているだろう!貴族とは伝統であり家柄だ!平民ごときには決して真似のできない気品と誇り高さに裏打ちされている!それが僕達貴族の価値だ!」
ガイウスの問いかけに口をパクパクさせたパトリックはすぐに気を取り直して怒鳴った。
「なるほど……ラウラやユーシスの振る舞いを見れば、納得できる答えではある。だが、それでもやはり疑問には答えてもらっていない。伝統と家柄、気品と誇り高さ……―――それさえあれば、先程のような言い方も許されるという事なのだろうか?」
「ぐ、ぐうっ……」
「ガイウス……」
「ふむ……」
しかしガイウスの正論に反論ができないパトリックは言葉を失くして唸り、リィンは驚き、ラウラは納得した様子で頷いた。
「クスクス、確かにそちらのお兄さんの指摘通りね♪」
するとその時レンの声が聞こえ
「へ………」
「………!」
声を聞いたリィンは呆け、フィーは目を見開いた。するとその時いつの間にかグラウンドの入り口で成行きを見守っていたレンがリィン達に近づいてきた。
「そなたは一体………」
「私達と同じ深紅の学生服を着ているという事は………」
「も、もしかして君が中間試験で全教科満点を取った今まで姿を現さなかった僕達のクラスメイトか!?」
ラウラは戸惑いの表情でレンを見つめ、レンが身に纏っている自分達と同じ深紅の学生服に気づいてレンが自分達の新たなクラスメイトである事に察したエマは目を丸くし、マキアスは信じられない表情でレンを見つめて訊ねた。
「――――初めまして。レン・ブライトよ。リベールからの留学生よ。よろしくね、Z組の皆さん♪」
そしてレンはスカートを両手で摘みあげて上品な仕草で自己紹介をした。
「ええっ!?じゃ、じゃあ本当に君が中間試験で全教科満点を取った人なの!?」
「フム……授業も受けていないのに、全教科満点を取るなんて凄いな。」
レンの自己紹介を聞いたエリオットは信じられない表情でレンを見つめ、ガイウスは興味ありげな表情でレンを見つめた。
「うふふ、レンは”天才”だから”あの程度の問題”、教科書を読んでいたら大した事ないわよ?」
「なに、その自慢……普通自分
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