6,生と死の交差点
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ントは今やあと8体−−いや、アルゴも一匹を葬った様であと7体だ。
勝てる、勝てるぞ。
生き残れる。。
「ァッァァァァァァァ」
そう思った瞬間、世界は音を立てて崩れ始めた。。。。
咄嗟に振り向けば、レイズさんの両手剣が腐食液の直撃を受け、粉々に砕け散っていた。
スローモーションの様に、自分の手を見て、あったはずの愛刀のポリゴンをつかもうと藻掻く。
その眼は目の前にまで来ている蔓の鞭を捉えてはいなかった。
「避けろロォォォォ」
咄嗟に叫ぶが時既に遅し、何かが折れる鈍い音を立てて大の大人が一人吹き飛んでいく。。。
あぁ、吹っ飛んでいく彼の顔には死への恐怖がビッシリとこびり付いていた。。
「レイズゥゥ」
駆け寄ろうとした所に、回りこんできたリトルネペント達が立ちふさがる。
チューリップ型の顔がグロテスクに歪んでいて、それはおかしな話、心の底から、笑っているようだ。
……俺はこの時、この世界のMOBを敵として初めて認識した。
「そこを……どけェェェ」
勢いのままにガムシャラに斬りかかる。この際、振り下ろされる鞭のダメージなんて無視だ。
とにかく、一刻も早く。一刻も早く。
「……ハァ!!」
二体が俺の猛攻を受け、爆散する。一秒でも惜しい。そのまま一番スピードが出る「ウインドダイブ」のモーションととった。
ソードスキルの立ち上がりがとてつもなく、長く感じられる。
アルゴはやっと最後の一体を追い込んだところだ。なにか叫んでいるが、よく聞き取れない。
ヤヨイはしっかりとリトルネペント相手に立ち回っている。この分なら問題はないだろう。。
レイズはまだ立ち上がれていない。倒れこんだまま、恐怖に震える手で必死にアイテムストレージを弄っている。
振り下ろされる大きくてがっしりとしたリトルネペントの蔓。しなりを帯びた鞭は引き絞られた力をユックリと開放されていく。
ライトエフェクトが力強さを増し、俺は一直線に駆け上がっていく。
狙うは蔓。あの一撃が届く前に、この一撃で叩ききる。大丈夫、
「ーー届けェェェェ」
コンマ1秒。ザシュッという重い感覚右手から伝わってくる。
光を纏った斬撃エフェクト。
爆散するポリゴン片。
レイズさんの方を向くと、穏やかな顔で俺の事を見つめていた。口元がユックリと開き、最後の力とばかりに喉が震える。
「ーーごめんね。あとは頼みます」
次の瞬間、レイズさんはポリゴンの欠片へと分解され、空の中に消えていった。
単純なこと、俺が切ったのはリトルネペントの本体。コンマ一秒俺の斬撃よりも疾く交差点を鞭が通過したってことだ。
光の中で、俺はがっくりと膝を付き、倒れこむ。
俺は、俺は人を…死なせてしま
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