第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#16
戦慄の暗殺者U 〜a Red Magician's Girl〜
[4/20]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
自分にこの上ない屈辱を与えた、
「アノ男」の軍門に堕ちた王の戯言等に。
「……」
アラストールは少女の様子を具に感じ取りながらも、
敢えて私情を抑えフリアグネに問いただす。
「多く」とはいえ、果たして一体どれだけの紅世の徒が
アノ男の配下に加わっているのか?
そして、如何なる「理由」から忠誠を誓っているのか?
明確に理解しておく必要があるという判断での行動だった。
全ては、 アノ男を最後に 【討滅】 する為に。
「……フリアグネよ。いま一つだけ答えよ。
紅世の王足る貴様が、何故に彼の者の僕となった?」
己の挑発を意に介さず、再び平静な声で発せられたアラストールの問いに
フリアグネは再度小馬鹿にしたような笑みを浮かべ
大袈裟に両腕広げヤレヤレと首を振った。
「一体何を訊くかと想えば……これはまた答える価値の無い愚かな質問だな?
アラストール? “天壌の劫火” の眼力も地に堕ちたものだ」
「おまえの主観なんか訊いてないッッ!!
黙ってアラストールの質問に答えろ!! 消し炭にするぞッッ!!」
忍耐の限界超えたシャナがアラストールの上で激高する。
フリアグネはその様子を愉しむようにみつめると、
少女とは対照的な口調で言葉を返す。
「フフフッ……威勢がいいね? お嬢さん……
でも、“果たして君にソレが出来るのかい?”
今まで紅世の徒も含めて我が同胞が何人も君に討滅されたが、
「斬殺」された者はいても “焼殺” された者はただの一人もいなかったよ 」
「!?」
驚愕に真紅の双眸が見開かれる。
ついで燃え盛っていた怒りも僅かにその火勢を弱め
冷静な思考がシャナの中に舞い戻った。
「イヤ、実に残念だ。灼炎の魔導士の華麗なる炎儀を愉しみしていたというのに、
まさかそれが “封絶” を知らない者の勘違いにしか過ぎなかったとは」
フリアグネはそう言って淡い嘆息と共に長衣の裾をハタハタと振ってみせる。
その仕草にカッとなったシャナが、即座に怒気の籠もった声で反論する。
「勝手な憶測は止めておくのね……ッ!
いつ、誰が、炎の 『自在法』 が苦手なんて言った……!?」
努めて平静を装うシャナを、フリアグネは眼を細めて真正面から見据えた。
その射るような視線は、一度標的にした獲物を執拗につけ狙う
“狩人” そのものだった。
「誰って……? “それは君自身さ”
さっきから、 “君のその真紅の瞳がそう言ってる” じゃないか?」
(!?)
予期せぬ言葉にシャナの瞳が更に遠くなる。
一瞬、言っている意味が解らなかった。
しかし、長い戦いの日々で磨き込まれた少女の鋭敏な頭脳と経験は、
すぐさまにフリアグネの言葉を理解した。
論理ではなく|感覚《フィ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ