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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#16
戦慄の暗殺者U 〜a Red Magician's Girl〜
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開けた額、そこには、“何も無かった”
「……」
 再度沈黙するアラストールに向け
フリアグネは不敵な笑みを浮かべて言う。
「無粋な勘繰りは止めて戴きたいものだな? アラストール?
“私は自らの 「意志」 で” アノ方に忠誠を誓ったのだ。
増長してアノ方に弓引くような愚か者でもなければ
その絶大なる存在に畏怖して “逃げ出すような” 臆病者でもない」
 明らかに「含み」のある言葉で、フリアグネはシャナではなく
胸元のアラストールに告げる。
 直接的にではなく間接的に心疵(トラウマ)(えぐ)った方が
効果は大きいというコトを熟知しての応答だった。
「なん、ですって……!」
 己の意志とは無関係に沸き上がる怒気と羞恥とを必死に抑えつけて、
シャナはフリアグネを鋭く睨み付ける。
 フリアグネはそんなシャナを無視し、小馬鹿にするようにアラストールへ告げた。
「それに君は、アノ方を幽血の統世 “王” 等と無礼極まる呼び方をしているが、
全く以てとんでもない思い上がりだ。まさか自分も “王” だからと言って
アノ方と「同格」の存在だとでも想っているのかね?
その厚顔無恥と傲慢不遜さは万死に値するよ」
 そう言い捨てまるで道端のつまらないものでも見るかのような
侮蔑の視線でアラストールを見下ろす。
 途轍もない憤激がシャナの全身を駆け巡った。
「キ・サ・マ!!」
 怒号と共に炎髪が一迅鋭く舞い上がり、逆鱗に触れられた赤竜のように
大量の火の粉が空間を灼き焦がす。
「……」
 そしてその空間まで蠢くような途轍もない怒りのプレッシャーを
全身から放つシャナを、フリアグネは再び無視して再度アラストールに
侮蔑の言葉を投げつけた。
「まぁ、愚鈍な君にも名前を覚える位は出来るだろう。
次からはせいぜい 『悠血の統世神』 とでもあの方の御名を改め給え。
最大限の礼意と敬意を尽くしてな」
「……」
 きつく結ばれた可憐な口唇の中で、犬歯がギリッと軋んだ音を立てた。 
 アラストールがこのあからさまな嘲弄(ちょうろう)
眉 (?) 一つ動かす事無く梳き流したのとは逆に、
その上のシャナは今まさに噴火寸前の活火山のように怒り狂っていた。
 その強靭な意志と精神力とで何とか必死に抑えつけてはいるが、
血が滲むほど強く拳を握りしめ(俯いているためにその表情は伺えない)
きつく食いしばった細く小さな顎が憎悪の為に震えている。
 今にも戦慄の大太刀 “贄殿遮那” を黒衣の裾から抜き出し
真っ向から飛びかかりそうな危うさだった。
 ソレを実行しないのは「まだアラストールの質問が終わっていない」
ただそれだけの理由だった。
 そうでなかったら、こんなヤツの言葉に耳を貸す気などサラサラない。 
 かつて
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