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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#16
戦慄の暗殺者U 〜a Red Magician's Girl〜
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【1】

 スタンド、スタープラチナに垂直の軌道で真上に投擲されたシャナは、
まるで獲物に襲いかかる隼のように双眸はただ一点のみを凝視していた。
 全身に掛かる重力を振り切る、絶息の空間疾走。 
『オメーは 「上」 だッッ!!』
 先刻の言葉。
 シャナはその言葉にもう一度だけ心の中で頷いた。
(ウン。 「下」 はおまえに任せた。だから、 “こっち” は任せて……!)
 屋上全域に張り巡らされたフェンスを抜けたシャナはそこで黒衣を
翻して軽やか反転、尚も直上に向かおうとする力の矛先を換え
華麗に宙返りを打って屋上の路面に手をついて着地した。
 真新しいコンクリート、遠間にたくさんの空調機器や大型の給水タンク。
 その、開けた空間の先。
 自分の3倍以上の規模と密度を誇る巨大な “封絶” の中心部に、
長身細身の男が白い存在のオーラを靡かせながら片膝を抱え
純白の長衣を気流に揺らしながら悠然と宙に浮いていた。
「こんにちは。お嬢さん」
 甘い耽美的微笑をその口元に浮かべ、
今目覚めたかのように気怠い瞳と口調で男はシャナに言った。
「初めまして、だね。アラストールのフレイムヘイズ “炎髪灼眼の討ち手”
私は紅世の王、その真名 “狩人” フリアグネ。以後御見知り於きを」
 フリアグネと名乗った純白スーツの美男子は、
幾重も躰に巻き付いた長衣の裾を静かに揺らしながら
屋上の路面へと軽やかに舞い降り、
相も変わらずの気怠げな表情と幻想的な雰囲気のまま、
パールグレーの頭髪を緩やかに靡かせシャナの方へと歩み寄る。
「……」
 周囲を警戒する事を忘れずに、同じようにフリアグネへ歩み寄ったシャナが
その男の声とはまた対極の凛とした声で訊き返す。
「おまえが、王? 2日前私たちにチョッカイを出してきた、燐子達の主?」
「その通りだよ」
 純白の貴公子は悪びれもせずにそう言って肩を竦め、そして厳かに瞳を閉じる。
「私の、この世で何よりも大切な “マリアンヌ” に、
随分酷い事をしてくれたらしいね? 全くどう(くび)り殺してくれようか?
この討滅の道具が……ッ!」 
 再び見開かれたそのパールグレーの瞳の中に、
険難な光を宿らせてフリアグネは殺気だった言葉をブツける。
「……ッ!」
 そのフリアグネに対し胸元のアラストールが、
わずかに声を低くして言葉を漏らす。
「フリアグネ……そしてマリアンヌか……音に聞いた名だな……」
「知ってるの? アラストール?」
 アラストールの呟きにシャナが緊張感を崩さない口調で訊き返す。
「うむ。数百年の永きに渡り、数多のフレイムヘイズをたったの一人で討滅してきた
『フレイムヘイズ殺し専門』 の “狩人” だ。
加えて燐子創りの鬼才としてもその名は王達の
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