2章〜西ゼムリア通商会議〜 第26話
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「ああ、その通りだ。遊撃士協会と同じスタンスだが彼らに頼り切るわけにもいかん。それに……”あんな連中”が入り込んできた以上、予想外の事態への保険は欲しい。」
「あんな連中……」
「”彼ら”の事ね……」
「―――”赤い星座”だな。」
ダドリーの話を聞いたエリィは不安そうな表情をし、エルファティシアは真剣な表情で呟き、ランディは静かな口調で言った。
「ああ……猟兵団”赤い星座”……ゼムリア大陸西部において最強と言われる猟兵団の一つだ。現在、多数の所属メンバーがクロスベル入りしていることが確認されている。ちなみに1年ほど前、あの『黒月』と共和国方面で大規模な抗争を起こし、さらにリベールの”異変”でも”結社”に雇われてメンフィル帝国軍と戦争したらしい。」
「ふーむ、物騒な連中だなァ。」
「ってことは、この街で黒月や”店員”として偽っているメンフィル兵がいるラギール商会と抗争や戦争の続きをするつもりなのか?」
「いえ、基本的に猟兵団はミラによって動く連中です。以前争っていたとはいえ、再び争う理由にはなりません。そうだな、オルランド?」
ドノバンの疑問をダドリーは静かな口調で否定した後ランディに視線を向けて尋ね
「―――まあな。縄張りを重視するマフィアと違って猟兵団にはミラと戦場が全てだ。昨日の敵は今日の味方……その逆も日常茶飯事にありえる。その意味で、以前の抗争を引っ張るというのはねぇだろう。」
尋ねられたランディは頷いた後答えた。
「……例え団長を討ち取った人物がいても、連中は動かないのだな?」
「ああ。戦場で討ち取られるのもまた、猟兵団として日常茶飯事だからな。団長や部隊長だってあり得る事だ。」
「となるともう一つの心配は…………―――シュバルツァー。ラギール商会や未だラギール商会の客人として現在もクロスベルに滞在している”赤い星座”の団長を討ち取った”戦妃”が”赤い星座”に抗争をしかける可能性はあるか?」
ランディの説明を聞いたダドリーは考え込んだ後、リィンに視線を向け
「……恐らくそれはないと思います。ラギール商会の目的はあくまでこちらの世界の商品を大量に手に入れる事ですので。それと確かにカーリアン様は”戦闘凶”とよくメンフィル兵達に呼ばれているくらいですが、あくまでその時に起こった戦場での戦いを楽しんでおられるとの事なので、自ら抗争を仕掛ける事はないと思います。」
「そうか……」
リィンの答えを聞いて頷き
「フフ、そうなると一つの謎が浮上してくるわけだ?どうして”赤い星座”がクロスベル入りしたのかっていう。」
会話を聞いていたワジは静かな笑みを浮かべて尋ねた。
「一課でも探ってはいるがその目的は未だ判明してい
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