第160話
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かう。
学校に着いた時はちょうど四時間目の授業が始まった辺りの時間だった。
正門は閉まっていたので裏門から入る。
校舎に入ると何人かの教師に出会ったが、入院していたというのは伝わっているらしく特に何も言われなかった。
むしろ、勉強熱心だね感心感心、と褒めてくれる教師もいた。
教室に着き、扉を開ける。
突然扉が開いたので視線が一気に集まる。
どうやら英語の時間だったらしく小萌先生が教壇に立って授業をしていた。
「あれ〜?麻生ちゃんは今日退院の筈ですよね?
それなのに学校に来たのですか?」
「ええ、先生の授業を受けたかったもので。」
適当に嘘をつきながら自分の席に向かう。
ふと、小萌先生を見るとうるうる、と涙を溜めて感動していた。
「偉いです!
麻生ちゃんがとうとう勉強にやる気を出してくれて先生は嬉しいですよ!!」
完全に麻生の嘘を信じている小萌先生。
そのままハイテンションのまま授業が始まる。
麻生は前に座っている制理の後ろ姿に視線を向ける。
心なしか暗い雰囲気が漂っている感じがした。
隣で今にも眠そうに授業を聞いている上条に小声で話しかける。
「おい、当麻。」
「んあ?」
半分寝ているような声で答える。
軽くいらっ、と来た麻生はその寝ぼけた上条の頬を思いっきり叩く。
バチン!!、と痛そうな乾いた音が教室内に響く。
いつもの小萌先生なら注意するのだが、ハイな小萌先生は全く気にしていない。
麻生のビンタをくらって目が覚めたのか、叩かれた頬を押え軽く眼尻に涙を溜めている上条が言う。
「い、いきなり何するんだよ!!」
「つい、いらっときたから。」
「もの凄い自分勝手な理由を言っている事を自覚してますか!?」
「そんな事より、聞きたい事があるんだが。」
「そんな事で済ませるな!!
こちとら、物凄く痛かったん「そこうるさいですよ〜♪」・・・うぅ、不幸だ。」
小萌先生に注意されとりあえず声を押える。
「朝から制理に変化はあったか?」
そんな上条の心理状態など無視して麻生は尋ねる。
慣れてしまったからなのか、少し億劫そうに答える。
「吹寄か?
そう言えば健康オタクの割には、眼にクマができてたな。
顔色も悪くかったし。」
「そうか。」
それを聞いて麻生は再び制理に視線を向ける。
上条は叩かれても眠いものは眠いのか、机に突っ伏して寝始める。
後で声をかけるか、と考え窓の外の景色を見つつたまに制理に視線を向けていた。
ちなみに寝ていた上条は小萌先生に見つかり、個人の宿題を出される事になった。
昼休みになった。
学食や購買組は授業が終わるとダッシュで教室を出て行った。
弁当持参組は
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