暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜菫の軌跡〜(閃篇)
プロローグ〜特科クラス”Z組”〜前篇
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「フン、望むところだ。」

「はあ、中間試験よりはちょっと気がラクかなぁ。」

「――――その前にサラ。レンの事をわたし達に黙っていた事を詳しく説明して欲しいんだけど?」

クラスメイト達がそれぞれ実技テストを受ける覚悟を決めている中フィーはジト目でサラ教官を見つめて問いかけた。

「そ、そう言えば……」

「教官、レン・ブライトという人は俺達のクラスに所属している生徒なのに、何で今までいなかったのですか?」

フィーの指摘でレンの事を思い出したマキアスは目を丸くし、リィンはサラ教官に訊ねた。



「あ〜………あの娘の”Z組”への留学は入学前から決まっていて、実は入学式からあの娘の籍自体は存在していたのだけど、色々と事情があって通学はできなくてね〜。その事情も終わったから、予定では今日来るはずなんだけど………まだ来ていないのよね。全く、どこで油を売っているのかしら?ブツブツ………」

レンの事を訊ねられたサラ教官は困った表情で答えた後ジト目になって小声でブツブツと呟きだし、その様子にリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「”留学”……と言う事はそのレンという人物はオレと同じ外国の出身者なのか?」

「ええ。ちなみにレンの出身はリベール王国よ。」

その時サラ教官の話の中に出てきたある言葉が気になったガイウスの質問を聞いて我に返ったサラ教官は答えた。

「リベール王国………!」

「二大国と隣接した小国でありながらも、遥か昔からの古き伝統を誇る帝国よりも昔に存在し、帝国のように君主制を布いていながらも貴族制は廃止されているかの王国か。」

サラ教官の答えを聞いたアリサは驚き、ユーシスは真剣な表情で呟いた。



「リベール……”ブライト”………――――!まさか……レンという人物はあの”剣聖”カシウス・ブライト卿のご息女なのですか……!?」

一方ある事に気づいたラウラは真剣な表情でサラ教官に訊ね

「ええっ!?け、”剣聖カシウス・ブライト”って言ったら……!」

「12年前の”百日戦役”で活躍したあの有名なリベールの”英雄”じゃないか!」

「ああ………そして俺が扱っている剣術――――”八葉一刀流”の皆伝者の一人でもある。」

ラウラの口から出たある人物の名前が出るとエリオットとマキアスは驚き、リィンは真剣な表情で頷いてマキアスの説明を補足した。

「はいはい、今は授業中なんだから詳しい事は本人が来てから放課後にでも聞いてみなさい。―――それよりも今は実技テストに集中しなさい。」

サラ教官は手を叩いて話を中断させた後、指を鳴らした。すると実技テストの際に毎回現れる謎の人形兵器が姿を現した。



「……現れたか。」

「また微妙に
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