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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第10話『決意の夜』
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いた。
その気持ちは理解していた。
だから、それを責めるのはお門違いなのだ。
けれどそれでもやっぱり悲しくて、とっても辛くて、泣きたくなって――。
──眠気が再び襲ってくる。目蓋が重くなっていき、体が重い。
彼は、一緒に泣いてくれたのだ。
私のために怒って、私のワガママを聞いてその怒りを鎮めて、恐怖に震えて、縋ってしまった私を抱きしめて、心から辛そうに泣いてくれた。
その時に彼が言っていた『ごめん』の意味は分からなかったけれど、ジークは自分の為に泣いてくれたのだ。
いつからか、スィーラはジークに依存を始めてしまっていた。
けれど、それを悪い事とは思わない。
──こくり、こくりと眠りに落ちていく。意識が混濁していき、手足の感覚も遠い。
昔の事は覚えていないけれど、私はどうにもワガママだったみたいで、今も好き勝手に周りを振り回している。
きっと、彼はずっと一緒に居てくれる。
そんな彼の優しさに甘えて、その優しさに縋って。
こんな勝手な、自分勝手な気持ちでも、あなたに伝えられるのなら。
この喉では満足に言葉も紡げないけれど──。
――だいすきだよ、じーく。
──そうして今度こそ、彼女は深い眠りに落ちた。
第1章『――彼女が人に何をした?』 Fin
NEXT→第2章『あたたかな手は』
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