暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
20話
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いのか?」

 今まで話を静観、いや、付いていくことも満足に出来ていなかった一夏がそこで声を上げる。随分と遅いタイミングではあったが。

「表向きはね」

「一定の抑止力になっているのは間違いないけど、仮に戦争になったら真っ先に駆り出されるのは専用機持ちよ。何でもありの状態になったら拘束力のないルールなんて誰が守ると思うの?」

「……!」

 そこ一夏は、鬼一が前に言っていた言葉を思い出した。

 ―――ISは今、強大な軍事力として利用される可能性があるのは分かりますよね? 条約で表向きは軍事利用するのは禁止にされていますが、それはそこまで重要ではありません

 ―――追い込まれた人間はなりふり構っていられないから、条約なんて簡単に破られてしまいますよ。そしてISが軍事利用される状態、それは絶対に敗北が許される状況ではないんです。だってISが負けたらもう敵のISに対する対抗策がもうないかもしれないから

 一夏はあの時、鬼一の言っていた言葉がいまいち理解出来ていなかった。しかし、現役国家代表、代表候補生の話を聞いてようやく少しずつ理解できるようになってきた。

 今、自分が持っている力は人を殺す力なんだと。

 少なくとも、その可能性が高い武器であると。

「白式には拡張領域が残っていないし火機管制が雪片に完全に抑えられている、ということも考えたら使わない選択肢なんてないのでは? 先ほどの情報収集のことも踏まえるとそう思えますが」

「……だからといって一夏さんの自主性に任せる、ってのはどうなんですかね? 大多数の生徒なら相手にしようとも思わないんじゃ」

 零落白夜のような危険極まりない武装を1人の人間の自主性に任せる、しかもまだISのことを理解していない初心者に。それが一体どれだけのリスクを秘めているのか。

「鬼一の言うとおりね。それに火機管制が抑えられてる、拡張領域がないって言っても他の武器を使えないってわけじゃないのよ。操縦者の負担が大きくなるだけの話で」

 鈴の言う通り、ISの武装は1つだけではない。アンロックしておけば他の武装を遣うことだって出来る。ただし、正規の火器管制から外れる以上なんらかの不具合を起こす可能性はあるが。

「とにかくIS学園から制約を設けられていない以上、織斑さんの意志次第ではないでしょうか? 少なくともその危険性は見直さないと、ことですよね先輩?」

 現状、IS学園や国家、企業から明確な制約が設けられていない以上、本人や本人の周りの人間がその危険性を考え、何らかの対策を考えるしかない。明確な理由をつけて、本人から具申すれば安全性を考慮する可能性は高い。

「……そうね。だから一夏くん、私個人としては全く使うなと言うつもりはないの。その力は確かに
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