20話
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てから了承の意を出した。一夏もセシリアの視線に気づいたのか、その視線から気まずそうに逸らした。
「私は別にいいわよー」
デザートを食べ終えややリラックスした表情の楯無はあっさりと受け入れる。
「? すまん、誰だその人?」
セシリアとは視線を合わせず、鬼一の向かい側の席にいる少女を見て疑問の声を出す一夏。その言葉に鬼一とセシリアは驚き、楯無は楽しそうに一夏の顔を眺めている。
鬼一は疲れたような声色で一夏に楯無を紹介した。
「……入学式にも出ていたじゃないですか。IS学園最強にして現役国家代表、更識 楯無。……あぁ、それどころじゃなかったか」
「私もまだ話したことはないわね。なに、あんたたち知り合いなの?」
「そんなところです」
鈴は鬼一とセシリアに問いかけ、それに対して鬼一は頷く。セシリアは無言であったが確かに肯定していた。
楯無はどことなく楽しそうに2人に自己紹介を始める。
「中国代表候補生の鳳 鈴音ちゃんと、最強を冠する織斑 千冬の弟にして世界初の男性操縦者の織斑 一夏くんよね」
「……は、初めまして」
「初めまして更識生徒会長。中国の鳳 鈴音です。出来れば鈴と呼んでください。周りからはそう呼ばれていますので」
一夏は自分が知られていること、千冬の名を聞いた瞬間に身体を硬くした。鈴はそれに気づいたようだったが無視して代表候補生として楯無に応える。その姿は幼馴染の一夏からしたら驚きを隠せないものだった。
「じゃあ、そう呼ばせてもらうわ。私のことはお好きにどうぞ。気軽にたっちゃんでも可」
「では会長で」
鈴は楯無の誘いには乗らず淡々と自分のテンポで話していく。
鈴は感覚的に楯無のことを好きになれないと感じていた。理由が明確にあったわけではないが、とにかく受け入れがたい手合いだと感じた。だからこそ代表候補生としてのポーズを見せて、個人的なラインに踏み込むなと遠まわしに楯無に告げていた。
「つれないわねー。まあ、いいわ。ほら、一夏くんも鈴ちゃんも座って座って」
楯無も鈴のそれに気付き、その素っ気無さに悲しそうに眉尻を下げた。が、鈴は楯無のそういった動作から本心はまったく違うものだと思えた。内容までは流石に読み取れなかったが。
楯無が席を詰め、空いたスペースに一夏が座り、更にその隣に鈴が座った。
「一夏くん、ちょっといいかな?」
「あ、はい。なんでしょう?」
楯無は笑ったまま一夏に問いかける。親しい友人のような表情と声色で。その親しさに一夏は気を許したのかやや気安さを宿した表情で応じる。
だからこそ、次の楯無の言った言葉の意味が一瞬理解出来なかった。
「……零落白夜をキミはどう捉えているの
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