20話
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ことに長けたインファイター。両者の技量もそうだけど、それ以前の部分でも足かせがあるんだから今の鬼一くんじゃひっくり返すことは困難よ」
フィールドの広さ、距離調節能力を含めた技量、それ以前の部分は身体能力、これだけ不利な材料が揃っているなら楯無クラスでもひっくり返すことは困難を極めることになる。そこに加えて鬼一はIS戦における経験値も少ない。
「内容的にはかなり競ったと思うけど、最終的には相手の守備を突破することは出来ずにエネルギー切れで敗北……。そんなところじゃないかしら?」
要所で競っていたのは間違いないし、最終的には鈴の攻守の比率を変えられてしまって鈴の守備力を突破することは叶わなかった。
「概ね当たりです。1つ付け加えるなら僕の意識も飛びました。もしかして見てたんじゃないですか?」
「鬼一くんもセシリアちゃんも分かる話だと思うけど、見える情報からある程度の勝敗も予想することは出来るのよ。その中で一番可能性が高いのがそれだったの」
十分な情報が揃っておりそれらを正しく分析出来るなら、勝敗をシュミレートすることはさして難しいことじゃないのは鬼一もセシリアも理解している。
楯無の分析がほぼ完璧。そのことに鬼一は肩をすくめて身体から力を抜き椅子に深く腰がける。
「やれやれ、お見通しですね」
だがそれもほぼ一瞬、話が終わったところで鬼一は立ち上がる。食堂に来たのは元々食事の為。
「ちょっと僕もご飯取ってきます。セシリアさんも行きましょう」
「ええ、わたくしもお供いたしますわ」
「あ、鬼一くん。私にプリンもお願いね」
「了解です」
―――――――――
いつものように山盛りの食事をゆっくりとしたペースで平らげていく鬼一、鬼一の隣には少量の洋食を食べるセシリア、鬼一の向こう側には食後のデザートを楽しんでいる楯無。三者の間に会話はない。
鬼一は食事している間は基本喋らないし、セシリアも同様。楯無は楯無でこの雰囲気を嫌っているわけではない以上、無理して喋るつもりもない。
「あれ、鬼一にセシリア……と誰だ?」
「あんたたちもご飯?」
そこで食堂に入ってきたのは一夏と鈴。鈴は平然とした表情だが、一夏の顔色は優れない。考え事をしているようにも見えた。
「一夏さん、鈴さん。そちらも食事ですか?」
食事を半分ほど片付けた鬼一は両者の声に応じる。模擬戦の勝者と敗者が顔を合わせることになったが両者に気まずさなどは微塵もない。
「ええ、そうよ。一緒に食べない?」
「僕は構いませんよ。セシリアさんは?」
「……わたくしも構いませんわ。更識生徒会長は?」
鈴からの誘いに了承する鬼一に対してセシリアは一夏に視線をやり、一瞬考え
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