SIDE:A
第一話
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の安否を確かめに急いで自宅へと戻った。
ハルトたちが暮らす家は三階建ての大きな一軒家だ。大きな損害がないことを確認したハルトは自宅に上がりこみ、クシナの元へ駆ける。
「母さん! 大丈夫!?」
「は、ハルト……?」
クシナはリビングで座り込んでいた。封印が解けた影響なのか血色の悪い顔で血相を変えてやってきた息子を見る。
「母さんは、平気よ……。それより、汐音を連れて避難場所に、向かいなさい」
傍に寝かせていた汐音を抱き上げ、ハルトに託すクシナ。
しかしハルトは母の声が聞こえていないのか、クシナの腹に手を当てるとぶつぶつと独り言を呟いた。
「やっぱりチャクラの波長が乱れてる……生命力も弱いな。このままだと持って一日か……」
「ハルト? どうしたの……?」
クシナは真剣な顔で何かを呟いているハルトに困惑した表情を浮かべた。
いつも笑顔で父譲りの天然と陽気な性格を持つハルト。そんな普段の彼からは想像もつかないような雰囲気を漂わせていた。
まるで別人になったかのような、そんな錯覚まで抱きそうだ。
「まずは母さんのチャクラを安定させて生命力を充填しないと。創造忍術 解析眼!」
複雑な印を一息で組みチャクラを目に集中させる。すると、ハルトの眼に変化が生じた。
「ハルト……、あ、あなた、その眼……」
ハルトの瞳には蒼い六芒星に細かな記号のような文字が刻まれた紋様が浮かんでいた。もしハルトと同じく転生者がいれば、それが『魔法陣』と呼ばれるものだと察することができるだろう。
驚愕の表情で絶句するクシナに微笑んだハルトは真剣な表情に戻った。
「詳しい説明はあとで。今は母さんを助けることが先決だから」
「……わかったわ。でも、あとでちゃんと説明しなさいね……」
「ん。――解析完了。よかった、なんとか補填できる量のエネルギーだ」
再び複雑な印を組み、新たな忍術を発動させる。
「――創造忍術 縁の結び!」
ハルトの体から半透明の管が伸びクシナの体に接続される。パスが形成されたことにより、ハルトの体からチャクラと生命力がクシナの元へ流れていくのを感じた。
「……っ! これは、体の倦怠感や悪寒がなくなっていく……? それにチャクラが回復していくなんて」
目を丸くしたクシナは信じられない目つきで自身の両手を見下ろした。あきらかに血色がよくなっている。
人柱力であったクシナが喪失したチャクラと生命力は膨大な量であり、とても一人の人間が補えるものではなかった。しかし、運がいいことにハルトは普通の人間で
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