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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
最終話〜双子の天使の願い〜(零篇終了、閃篇に続く)
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に気づいたレンは苦笑した。

(どうか幸せに………パパ………ママ………コリン………)

そしてレンはまるで本物の”天使”が浮かべるような慈悲深さが溢れている優し気な微笑みを浮かべて窓からクロスベルの方向を見つめて実の両親と弟の幸せを祈った―――――――――



























──《エレボニア帝国》。



ゼムリア大陸西部において最大規模を誇るこの旧き大国では近年、2つの勢力が台頭し、国内における緊張が高まりつつあった。





一つは《貴族派》──

「四大名門」と呼ばれる大貴族を中心とし、その莫大な財力によって地方軍を維持し、自分たちの既得権益を守らんとする伝統的な保守勢力。





もう一つは《革新派》──

平民出身の「鉄血宰相」を中心とし、巨大な帝都や併合した属州からの税収によって軍拡を推し進め、大貴族の既得権益を奪わんとする新興勢力。





両者の立場はどこまでも相容れず、その対立は水面下で深刻化し、皇帝の仲裁も空しく、帝国各地で暗闘が繰り広げられるようになっていた──。



そして、それは帝都近郊にある伝統的な士官学校でも同じだった。



──《トールズ士官学院》。



帝国中興の祖「ドライケルス大帝」によって創設され、身分に囚われない人材育成を目指してきたこの士官学校においても、貴族派の理事と革新派の理事が対立を深め、生徒たちに影響を与えていた。



あらゆる面で優遇され、また実力も兼ね備えた白い制服の貴族生徒たち。優秀ながらも下に見られ、理不尽感を抱き続ける緑の制服の平民生徒たち。



制服の色や学生寮が違うことも相まって、両者は事あるごとに反発しあい、学業成績や武術訓練、クラブ活動などでも火花を散らし合うのだった。



そんな中、貴族生徒や平民生徒の制服の色と違う深紅の制服を身に纏った学生たちが少数ではあるが、今年度に設立された新たなクラスに集められた。



――――《特科クラスZ組》。



そのクラスに所属する生徒達は新型戦術オーブメント《ARCUS》の試験運用目的の為に集められた為、そのクラスに所属している生徒たちは誰もが《ARCUS》の適性が高いという特徴と、ある特徴があった。それは平民や貴族などと身分に分別せずさらには留学生も迎え入れているというトールズ士官学院始まって以来の変則的な特徴だった。



Z組は通常の授業に加えて一ヵ月に数日の間、遠方の実習地に赴きそこでの任務を自分達がどう行動すればいいのかを判断する事で生徒達の判断
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