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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十三話 鈍足の艦隊だって時には役に立つのです。
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の艦艇から一斉に砲撃が放たれ、帝国軍右翼に命中する。

「これは!!」

 右翼を指揮するシュタインホフ大将は狼狽した。主力艦隊がごっそり抜け、後衛にされることは事前に承知していたが、それは敵が一定の距離を保って包囲体制を継続するからこそである。全面攻勢に出てこられては、こちらの体力が持たない。

「後退しろ。いや、応戦しつつ秩序をもってな」

 シュタインホフ大将は攻勢は苦手であったが、守勢は得意としている。だからこそビュコック中将の攻勢にも秩序をもって艦隊を運動させ、規則正しく後退していった。

「ほう、やるもんじゃのう」

 ビュコックは感嘆したが、追撃の手は緩めなかった。帝国軍右翼が押し込まれれば、正面部隊は孤立する。そこを正面に展開している第十艦隊が押し出して叩けば、一気に戦局は傾くだろう。後は孤立した本隊3万隻と後ろで何を思ってじっとしているかよくわからない艦隊を叩けばいい。
 さすがのビュコック中将もシャロンも、まさか旗艦が故障して立ち止まっているとは予測していなかったのだった。

 
 そのグリンメルスハウゼン艦隊では、旗艦の機関が復旧した。もともとメインバイパスが吹っ飛んだと言っても、エンジンに損傷はない。部品を交換すれば済む話である。
 それにしても、とフィオーナは思う。まったくタイミングのいい話だ。結果論であるが、今帝国軍は左翼の敵を突破して主力が錠回運動をはじめており、正面展開している前衛正面部隊と右翼部隊が敵に攻撃されている。特に右翼は押されっぱなしであるから、このままではちぎれ飛んでしまうだろう。
 今こそグリンメルスハウゼン艦隊の出番である。敵の第五艦隊のさらに外側から側面攻撃をかけ、押し込めば帝国軍右翼と協力して一気に敵を突き崩せるではないか。

 ところが!!!

この期に及んで、グリンメルスハウゼン爺様は昼寝をし、参謀長は「命令が下っておらん」と突っぱね、参謀たちもふくれっ面をしているだけだったのだ。
 さすがのフィオーナもこれには大きなため息を内心つくしかなかった。アレーナがその場にいれば、

「パチンコでフィーバー目前の確変が起こっているのにそれをしり目に席を立つ客を見ている気分ね。金をどぶに捨てているようなもんだわ」

 とでも言ったかもしれない。

「やむをえないわ」

 フィオーナは身をひるがえして、艦橋を出ていった。動かないのなら、多少手は荒っぽいけれど、確実に動かす方法をとるしかない。

「アレーナさん!!」

 フィオーナは自室に舞い戻るなり、極低周波端末で頼みの綱を呼び出したのである。

 ほどなくして、通信手が目の前の通信元を見、信じられないという顔をして、司令官席を振り返った。

「コ、コ、コ――!!」
「どうした!?ニワ
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