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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第十四話 それでも姉妹
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はわからないが、仮に地名と同じところだとすれば、地理的に言ってヤマトの北方に位置する。簡単に会える距離ではない。
「そっか、そうだよね・・・・。考えてみれば私たちって超ラッキーなのよね。4人全員がこうしていられるなんて・・・・。」
雷が俯く。なんだか申し訳ない気持ちになって電も暁も響も視線を落とした。
「あ、気にしないでください。今までの皆さんもそうでしたし。不知火さんだってそうですし。」
綾波が慌てて取り繕った。
「私は別に気にしていない。」
不知火は遠くのイベント会場を見ながらつぶやいた。
「あ、まぁ・・・不知火はそうかもしれないけれど・・・・。」
暁がそう言いかけ、雷に突っつかれて慌ててごにょごにょと口を濁した。
「それに・・・私はここに入れて幸せです。みなさんいらっしゃいますし、鳳翔さんもいらっしゃいますから・・・・。」
「鳳翔さん?」
一同は首を傾げた。
「綾波って、前世で鳳翔さんと接点あったっけ?」
「あ、いえ。前世の太平洋戦争会戦時に第一艦隊でご一緒したことがありましたけれど、でも、そうではなくて・・・・。」
綾波は遠い目をした。
「私、ここに始めて来たときに真っ先にあったのが鳳翔さんだったんです。私はその時はとても不安で・・・。でも、鳳翔さんはとても優しくしてくださいました。後、初めての出撃で私、鳳翔さんに命を救われたことがあるんです。」
 近海警備に出た時の事、所定の海域のパトロールが終わって、帰投しかけたその時、やや離れていた綾波の後ろに不意に敵艦が出現したのだ。いち早くそれに気が付いた鳳翔は艦載機を放ってこれを迎撃、撃破したのだった。
「だから、私はいつか必ず鳳翔さんにご恩返しをしたいって、そう思っていたんです。あっ!!」
綾波は不意に真っ赤になって黙り込んだ。
「ごめんなさい。私の事ばかり、しゃべってしまって・・・今日は夕立さんの送迎会ですのに・・・・。」
「いいっぽいよ、私、綾波ちゃんの話を聞けて良かったっぽい!私も大好きな先輩や仲間のために戦いたいっぽいもの!」
「でも・・・・。」
不意に天津風が言った。
「今度の作戦はかなりの激戦になるって・・・・・。無事に帰ってきてよね、約束よ。」
その言葉に一同は再び黙り込んだ。陽気に騒いでいても前途の作戦の規模や困難さの重圧からは決して逃れられなかった。それはひしひしと一同を包み、重苦しくさせる。
「やだなぁ。」
不意に雷が沈黙を破った。
「心配したって何も変わらないわよ。そうでしょう?心配して重荷が減ったり、うまくいくのなら、私も心配するけどさ。そうじゃないんだから。体に毒よ。」
「・・・・・・。」
「大丈夫、夕立ならきっと帰ってこれるから!改二になったんだし!あ、ほら、そんなに黙っていないでさ、夕立の出立を祈って乾杯しようよ!暁
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