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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第十四話 それでも姉妹
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・・・・。」
「ん、何?」
伊勢がおにぎりをほおばりながら聞いた。
「そう言えば間宮っていったい何なんですか?酒保の名前ですか?」
「違うよ。今横須賀にいる給糧艦間宮さんの名前。でも全国にある各鎮守府の酒保は皆間宮って言う名前を付けているんだってさ。それだけ彼女の存在が大きいってことなんだろうね。」
「そうなんですか。」
突然また大きなどよめきが聞こえたが、今度は悲鳴らしきものも交じっている。
『ああっ!!金剛選手突然胸を叩き始めた!!無理な追い上げがたたったのか!!128個を口に入れたところで動きが止まったぞ!!』
「姉様!?もうっ!!!お祭りだとすぐこうなるんだから!!すみません。行ってきます。」
霧島が立ち上がり猛然と会場に走っていった。ほぼ同時に、金剛目指して駆け寄ってくる榛名とそして比叡の姿も見えた。姉妹三人は金剛を引きずるようにして会場の外に連れ出すと、盛んにさすったりたたいたりして介抱している。
「やれやれ、でもさすがは姉妹だよね。」
「日向さんは大丈夫なんですか?」
「日向はこういう時には無理はしないから大丈夫。自分のペースで食べて、危なくなったらすぐにやめるからさ。こういっちゃなんだけれど、私より妹の方がしっかりしてるかな。」
「私は伊勢さんのおっとりしたところ、とても好きですよ。」
「あんたにそう言われるのはちょっと意外だし、照れるな。でもあんたもそうだと思うよ。前は神経質そうだったけれど、今はここにすっかりなじんで丸くなった感じね。あ、違うよ!体形じゃないよ!」
紀伊が顔を赤らめて自分のウエストを触り始めたので、伊勢は慌てて言ったとき、また大きなどよめきが起こった。
『ああっ!!なんということでしょうか!?ここにきて今大会初参戦の新型艦娘、近江選手の追い上げがものすごい!!あっという間に150・・・・160・・・・ええ!?まだ行く?!マジで!?170・・・・!!!あ、駄目だ!!加賀選手ギブアップ!!ビスマルク選手も撃沈!!プリンツ・オイゲンちゃんが介抱しています!!後は赤城選手との一騎打ちだ!!』
「あ、あんたの妹・・・・すごいね。赤城に引けを取らない大食いって初めて見たよ。」
伊勢が唖然となっている。
「はぁ・・・。」
紀伊は顔を赤くした。何やらうれしいようなとても恥ずかしいような複雑な気持ちだった。

 三女の近江と初めて会ったのは赤城たちとお茶を終わっていったん自分の部屋に戻ってくる途中だった。航空巡洋艦寮内の廊下で見慣れない艦娘が一人窓の外を見ていた。その姿を見た瞬間、紀伊の胸が高鳴った。長い艶やかな黒髪。赤い上衣に緑のスカーフ、そして黒のスカート。容姿は讃岐が言っていたものと瓜二つ――。
 紀伊の足音を聞きつけたのか、ゆっくりと艦娘がこちらを見た。とてもきれいな顔立ちだ。大きな黒の
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