×××だと、彼女は―――
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ゃあオレもずっとミラの事見てる訳じゃねえから正確じゃねえけど、少なくとも先月からそんな感じだったかな。話しかけても上の空、声かけても反応しないから肩叩けば凄え驚かれて距離取られるし、様子おかしいなって思って声かけると“大丈夫だからこっち来るな!”とか言われるし……!なあティア、自分で言ってて思うんだけどやっぱり嫌われてんのかな。だとしたらオレもうどうしたらいいか解んないんだけど!だってティアとかリサーナとかエルフマンとかにここまでしてもらって結果出ないとか申し訳ないし、けどだからってミラの気持ちなしに結果出したくないし、それでも好きだしマジでどうしたらいいかな!?」
「まずはアンタが落ち着くところから始めなさいな。…にしても……ふぅん」
余程混乱状態なのか、正面に座っているにも拘らず彼は気が付かない。
考え込むように口元に手をやったティアの口角が、話を端から端まで理解していくと同時に徐々に緩められ、最終的に笑い出したいのを堪えるようにぴくぴくと動いている事に。
「それとも仲良くなったと思ってたのオレだけで何も変わってない…?やっぱり去年の仕事の時には取り返しつかないレベルで嫌われてたとか……!?」
「いや、それはないと思うけど。だってアンタ、結構頑張って見せたんでしょ?」
「…まあ一応。けどアレかな…ルーと仕事行ってる感覚でつい、守ってやらなきゃなって思ったのが馬鹿だった……?」
確かにルーとミラを同じ感覚で考えてはいけないと思うけれど。
先ほどからうだうだぐだぐだと後ろ向きな言葉ばかり並べては底なしに落ち込んでいくアルカに溜め息をついて、ティアは思い出す。
去年の今頃、自分と彼女の妹が手を回してどうにか実現した、あの仕事の話を。
地面に埋まっている相手を、外に引きずり出す。
言うだけなら簡単で、けれどそれを実現させようと思うと難しい。だというのに、それはアルカにだって解っているはずなのに、解った上で出来ると信じていない声色といつも通りの表情で、彼は言った。
「は…おま、何言ってんの!?」
「だから、オレがコイツ等引っ張り出すから…」
「いや、それは解った。お前の言いたい事は解るけど、そんなのどうやってやるつもりだよ!いちいち穴掘って出してを繰り返すとかだったら殴るぞ!?」
「暴力反対。つかオレ殴ったら間違いなく気絶するから荷物増えるぜ?それにそんな面倒で時間使う事してらんねーしさ」
宥めるように言われる。確かに彼の言う通りなのだが、アルカなら「お、大正解!という訳で、ほら」とか何とか言いながらスコップを取り出しかねないというか、頼りになりそうで全く頼りにならない手を大発明のように語りだしそうというか、とにかく頼って本当に大丈夫なのかが不安なのだ。
そんな不安が顔に出ていた
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