×××だと、彼女は―――
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自分も。
「ああ…あああああ……」
「辛気臭い声出さないでくれる?こっちまで気が滅入るわ」
「だって、だってよう…ちょっと前まで普通に話してたし、ようやく人並み程度に好かれたと思ったらこれだぜ!?もうオレどうしたらいいか解んない…」
うう、と今にも泣き出しそうに呻く赤髪の少年を思いきり蹴り飛ばしてやりたい衝動に駆られながら、持ち前の冷静さをフル稼働させる事で何とか落ち着いた。今にも蹴ろうと伸ばしかけた足が、机の下で音もなく戻される。
場所はいつもの資料部屋。相変わらず人の出入りが少ないこの部屋の一角で、読んでいた本を端に追いやりつつ眉を顰めた。
「無意味と知って聞くのは嫌だけど……何か思い当たる節はないの?ミラに対して何か仕出かしたとか、“アンタなりに仲良くなったつもりの仕事”の時に癪に障る事したとか」
「解ってたらとっくに改善してるよ…それにあんな風に素っ気なくなったの、つい最近だし。あの仕事は去年の事で、それから最近までは世間話だの何だのって結構話せてたし!やっと嫌われなくなったと思ったのにいいいい……」
「…ま、第三者から見ても仲良さそうだったわよ。エルザとモメてる時も力で解決しなくなったし、ミラもアンタに噛み付かなくなったし、あとはアンタがいい加減覚悟決めれば終わると思うんだけど」
「覚悟…?嫌われる覚悟とかマジ無理だから!」
「んな訳ないでしょうが!とっとと告白して来いって言ってるの!」
「その覚悟も無理!」
「軟弱者!アンタがいつまでもそれじゃあ私だってどうにも出来ないわよ!」
一喝すると、アルカは「そうだよなあ…」と弱弱しく呟いて机に突っ伏す。それからだらりと下げていた両腕を放り出すように載せて、「うあー」と呻いた。
全くもう、との意味を込めて溜め息を一つ。
「で、そのつい最近ってのはいつから?」
「え、聞いてくれんの…?ここで見捨てるっていう、普段のティアならやりかねない選択肢じゃねえの……!?」
突っ伏したままこちらを見る目がキラキラと輝く。
確かに彼の言う通り、ここで彼女持ち前の冷たさを持ち出すなら容赦なく見捨てるだろう。というか正直今だって「この軟弱者め自力でどうにかしろや」とは思っていたりする。
けれど、ここまでいろいろ手伝ってきて、それで何の進展もなく終わるのは腹が立つ。出来るだけの手を尽くして何の結果も出ないのは、苛々する。
「……大分失礼な事言われたけど、今更放り出したりしないわよ。ほら、お姉さんが聞いてあげるから言ってみなさい、アルカ君?」
「オレの方が年上だし!……とか言いたいけど、聞いてくだせえ姉御―――!」
「はいはい」
がばっと勢いよく身を起こしたアルカは、そこから捲し立てるようにこう言った。
「そり
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