×××だと、彼女は―――
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い」とは言えない。そんな事エルフマンにだってリサーナにだって言えない。
「いや」とか「その」と答えに詰まりながら必死にそれらしい理由を繕っていると、正面の少女はどういう訳か額に手を当てていた。更に溜め息まで吐いていた。
「え、ティア…?」
「…ああ、悪いわね。ただ少し、どうしてアンタといいアイツといいこんな感じなのかと思って」
「アイツ?」
「何でもないわ」
気にしないで、と首を横に振る。ゆったりとしたその動作もやけに優雅で、時折暴力的ではあるもののやっぱり女の子らしい。自分とは大違いだ、と思う。
(やっぱり、私じゃ…)
「アルカ、いる?」
「お、ティア?え、マジで来てんの?絶対お前は来ないと思ったのに!?」
「アンタ結構失礼よね。ま、用があるのは私じゃなくてミラの方なんだけど」
「!?え、ちょっと待って聞いてない。ミラがいるとか聞いてないんですけどティアさんや!?」
「そりゃそうでしょうね、言ってないもの。ほら、入って」
ぐいぐい、ガチャ、ばたん、カチャッ。
今起きた事を簡潔に表すならこの三つだろう。解りやすくするなら、“ティアがミラを医務室に押し込んで部屋を出て、更に鍵をかけて行きやがった”である。
「……」
「……」
暫し沈黙。
ベットから身を起こしたアルカがぽかんとしながらこちらを見て、ミラはミラであまりにも一瞬の出来事過ぎて理解が追い付かず立ち尽くす。
「……えっと、ミラ?大丈夫か?」
「はっ!?お、おう大丈夫だ!……それより、アルカこそ…その」
「ん?…ああ、平気平気。ルーもポーリュシカさんもいたからさ、見た目ほど酷くねえよ」
包帯を巻いた腕を上げ、振って見せる。本当に痛くないのかそういうフリなのかは解らなかったけれど、本人が平気だというなら平気なのだろうと納得する事にした。
「そこに椅子あるし、座れば?」
「あ…ありがとう」
勧められた、ベットのすぐ脇に置かれた椅子にちょこんと腰掛ける。
「……」
「……」
そして、また無言。
怪我は平気か、とは真っ先に聞いてしまって本人から答えも来ている以上、二度は聞けない。けれどそれ以外で話す事も思いつかない。好意を自覚してからというものアルカを前にすると頭が真っ白になってしまうのがこんなところでも発動されてしまって、視線を落として握った拳を見つめるしか出来なかった。
彼女は知る由もないが、アルカも何を言えばこれ以上嫌われないかを考えて必死に頭をフル回転させていたりする。
「…その、アルカ。本当に、平気なのか?」
「ん、大丈夫だって。安静にしてろとは言われたけど、すぐ復帰出来ると思うし。そしたらさ…また仕事、一緒に」
「は!?何言ってんだよ、仕事は来月までお預けだろ!」
「
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