一章
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とんでもないものを見せられた
もう、落ちたかも。あんなの普通の飛空艇にできっこない
どんな手段をしたのかわからないけど
それより、なんであの人の顔が頭に浮かぶんだろ……
「いやー。スッゴいのみたね」
「!???」
そこにいたのは白髪の少年。小柄でぽやっとしてて猫みたいな…そして一メートルくらい浮いている
知ってる。軍人の顔はすべて覚えた
「……ルーク・ラヴィーナ…」
「え。なんでフルネーム?」
軍人のなかでも有名な部類だろう。あの魔王ゼロを追っている最強の名がついた軍人だ。まだ年も二十歳を越していないはず。少なくともそう見える
「なぜここに?」
「休みをもらったんだ。のんびり満喫中」
「ゼロがここにいるの?」
少なくとも、この人の目的はそれだけのはず
墜ち人どうこうって性格じゃない
「んーー……そうだねー。今はそんなに探してなかったんだけどねー」
ルークは大きく伸びをして、空中で膝を抱える。白い髪も相まってクラゲのようにみえた
「ただ、ヴァンのデビューになった大会を見ようと思って、レベル落ちたなーって思ってたんだ。ひとり上手だったけど」
それはどうも
「そしたら…あの最後のすごいの。間違いないよ。あれ、ゼロだ」
「は!?」
「シルクって…あのちっちゃいの。あの子じゃない。飛びかたのクセもゼロのまんまだ」
「ちょっと待って!この大会にあの魔王がいるの!?今は太陽もでてるのに!?」
「ゼロはねー。確かに太陽がだいっきらいで弱点だともいえるけど、ムリではないんだよー?日にさらされること。昼間追っかけまくったことあるもん」
そうか。あの男は、魔王ゼロ
なら納得もつく。魔王と呼ばれるようなやつなら、なにができてもおかしくない
翼があることくらいしか、ゼロについての情報はないし……そうか。消すこともできるのか
「……ゼロを追わないの?」
「だって休みだもん」
いや。休みでも軍人でしょ
休みだったらなにもしなくていいわけじゃないでしょうに
「それより、大変だね。おねーさん。相手はどうやったか知らないけど、空のプロだよ?ヴァンでも追い抜けない相手だ。勝てる?」
「…………さあ」
ほんとサイアク
レベルの高い大会のなかで、別次元のやつがいるなんて。運がないどころじゃない。絶望的…
『それでは技術テスト、結果を発表いたします!!』
空まで届くような音声が響く。この街のどこまでも聞こえそうな機械音。そして、出走順から順位が告げられていく。あぁ、いやになる。じれったい。ゼロと自分以外の順位なんてまるで興味
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