機動戦艦ナデシコ
1395話
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いく。
100年前に行われた、月の独立運動。そこで行われた内乱により独立派の過激派は月を追い出された事。入植が始まったばかりの火星に逃げ込んだ独立派へと向かって放たれた核ミサイル。そして火星からも逃げ出した独立派の面々が木星へと到着し、そこで古代火星文明の遺産を手に入れて木連を作った事。
「そしてこの戦争が始まる前……木連は地球に対して使者を送ってきました。しかし当時の連合軍上層部は、木連の存在が表沙汰になる事は自分達にとって甚だ都合が悪いとして……その使者を闇に葬りました」
自分の言葉がどれ程の衝撃を持って受け止められるかというのを確認するかのように黙り込んだミスマル。
恐らく、今この話を聞いている者達は、木連という存在に対して同情や哀れみといった感情を抱いているだろう。
同時に、当時の連合軍と連合政府……そしてこの話を公表したミスマルについても。
「当時の連合軍を動かしていたグリューノ総司令が何を考えていたのかというのは、私には分かりません。ですが、それを後悔していたのは事実なのでしょう。知っての通り、グリューノ総司令は今回のクーデターにおいて真っ先にその命を賊軍に狙われましたが、それでも何とか生きて逃げ延びる事には成功しました。……ですが……」
タイミング良くグリューノの姿が映像スクリーンに映し出される。
この辺の操作は多分ルリ辺りがやっているのか?
ともあれ、そこに映し出されたグリューノは、両手両足を失い、顔の半分も火傷で酷く焼け爛れているといった姿だった。
先程のミスマルの話を聞いていた者達であっても、このグリューノの姿を見れば決していい気味だと笑っていたりは出来ないだろう。
そして……俺とグリューノのやり取りが映し出される。
この映像はどうやって撮ったのかは分からないが、この辺も恐らくルリか長谷川辺りが動いたのだろう。
そして映像の中で語られる言葉。
自分の命を以て木連の使者を殺した罪を償うと告げているグリューノ。
また、木連の使者を殺したのはグリューノ本人の意思ではなく部下の暴走だという事も映像の中で語られる。
そして最後にはグリューノが息を引き取ったところでその映像は終わりを告げた。
映像が終わり、数秒。ミスマルが天を仰ぐようにグリューノの冥福を祈り、口を開く。
「見て貰えたでしょう。グリューノ総司令は自らが生き延びる可能性があったにも関わらず、己の命を以て木連に対する謝罪としたのです。……自らの命を以て謝罪とする。言葉にすれば何とも陳腐なものではあるでしょう。ですが、それがどれだけの重さを持つのかは、この映像を見た人達であれば容易に理解出来る。私はそう信じています」
ミスマルのその言葉に、この映像を見ていた者達がどう反応するのか。その辺はかなり興味
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