機動戦艦ナデシコ
1395話
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たかったのだろう。……いや、違うか。草壁にとっては、少しでも時間を稼げればいいと思った程度の事だった可能性の方が高いか。
そもそも、シャドウミラーでは転移技術が普通に存在している以上、もし何かあったとしてもフットワークは非常に軽い。
地球のどこそこで戦いが起こったと地球に残っているニヴルヘイムからフォールド通信で連絡が入れば、数十秒後にはニーズヘッグを空間倉庫から取り出して、システムXNでの転移……なんて真似すら可能なのだから。
つまり、そこまで知っている草壁にとっては、多少時間稼ぎが出来ればラッキー程度の思いだった可能性が高い。
「知っての通り、俺達シャドウミラーはこの世界とは違う、異世界の存在だ。そこで俺達は今まで幾つもの戦いを勝ち抜いてきた。それこそ、神と呼ばれている相手と戦った事すらある。そんな俺達の戦力は、今回鎮圧軍に協力する事になった。……当初はこの内乱はこの世界特有の問題であり、シャドウミラーには手出しをしないようにと反乱軍……いや、賊軍は俺達に向かって通達してきた。だが、生憎と俺達は賊軍を1つの勢力とは認めていない。それは、反乱軍ではなく賊軍と呼んでいる事からも分かるだろう。故に、こう告げよう。降伏しろ。そうすれば命だけは助けてやる。もしも降伏もせずにそのまま向かってくるというのであれば、シャドウミラーが……いや、この俺。シャドウミラーの代表でもあるアクセル・アルマーが全力を以て迎え撃とう。俺の愛機ニーズヘッグの……嘲笑する虐殺者の名の下に!」
そこまでを告げ、自分の席へと戻る。
俺と入れ替わりに再び前に出たミスマルの顔が若干引き攣っていたように見えるが……その辺は恐らく気のせいだろう。
「……さて、今の話を聞いて貰った通り、私達はシャドウミラーと協力をしています。その力を知っている者であれば、これ以上の抵抗は無意味だと理解しているでしょう。また、ナデシコという地球屈指の戦力もこちらの手の内にあります。……この話を聞けば、既に勝ち目はないと理解出来る筈。賊軍の者達には冷静な判断を望みます」
ミスマルが言葉を止め、周囲には静寂が満ちる。
いや、ここには別に俺達以外にはミスマルや俺達を放送しているメンバーしかいないんだから、その辺は当然だろうが。
ともあれ、突然黙り込んだミスマルに、この通信を聞いている者達は興味を持っているだろう。
この辺の空気の使い方が上手いのは、何気にミスマルが政治家に向いているという証なのかもしれない。
それを本人が喜ぶかどうかというのは、また別の話だが。
数十秒、沈黙を保った後で、再びミスマルが口を開く。
「さて、今回のこの発表。実はまだ発表する事があります。それは、木星蜥蜴について」
その言葉を皮切りに、ミスマルは木星蜥蜴の正体について語って
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