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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#15
戦慄の暗殺者 〜White Stranger〜
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【1】

 その日。
 (うず)く傷痕を押しかなり遅れて学園に登校した花京院 典明は、
突如何の脈絡もなく出現した白い “封絶” を呆然と見上げていた。
「こ……この能力は……ッ! まさか……「あの男」が此処に来たのか……!?」
狩人(かりうど)” フリアグネ。
 そのあまりに純白な為に青みがかってみえる白のスーツを端正に着こなし、
同じく純白の長衣を細身の躰に纏っていた、
まるで現世(うつしょ)幽界(かくりょ)の狭間に立っているかのような幻想の住人。
 半年前。
 家族との旅行先、エジプトでのDIOとの最悪の邂逅により「肉の芽」で下僕にされ、
いつのまにか軟禁されていた館で命令を待っていた時、
壁に立てかけられたランプの灯火のみが光源の
薄暗い地下の書庫でよく顔を合わせた。
紅世の徒(グゼノトモガラ)” という『幽波紋(スタンド)使い』と同質の力を持つ
異次元世界の能力者の存在は、
DIOの参謀である褐色の麗人、占星師エンヤから聞かされてはいたが
実際に逢ってみるとその容姿や風貌は人間のソレと殆ど変わらないので
拍子抜けした憶えがある。
 その地下の書庫でフリアグネは花京院に幽波紋(スタンド)
同様の能力を持つという異界の神器、『宝具』を自慢したり、
その宝具の能力や上げた戦果の解説
(というよりフリアグネが一方的に喋っていただけだが)
をカルトコレクターにありがちな大仰な手振りと言い回しで語ったりした。
 どんな書物にも決して書かれていないそれら異界の住人の神奇な話は、
フリアグネ自身の持つ幻想的な雰囲気とその語り口の巧さも手伝って
花京院の好奇心を大いに刺激するものであったので、
手元の本に視線を落としながら適当に相槌を付く振りをして
毎回深く聞き入っていた。 
 そうやって何度かの館の書庫で話を交わす内、
ある日、フリアグネは唐突に「ある事」を告げてきた。 
 その時の言葉が、花京院の脳裏に鮮明に甦る。



“どうだい? 私と「友達」にならないか?”



 靴も指もない肌色フェルトの喋る人形 “マリアンヌ” を大切そうに胸元に抱きかかえ、
いつもの通り愛用宝具の戦果を多少誇張して話し終えたフリアグネは
いつもの通り本に視線を落としながら話に聴き入っていた
花京院に向かって静かにそう言った。
『君と私は、良く似ている。その容姿も。性質も。能力も。
まるで、現世と紅世の合わせ鏡の存在であるかのように。
そうは想わないかい? 花京院 典明君?』
 フリアグネは自分にそう問いかけながら豊かな頭髪と同色の
パールグレーの双眸で自分の瞳を覗き込んできた。
 口元にナルシスティックな耽美的微笑を浮かべ
触れれば輪郭が掠れそうな線の細い美男
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