第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#15
戦慄の暗殺者 〜White Stranger〜
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《おび》き寄せて先に始末する為に
屋上で能力を発動させたんだ。
“上に来るのはオレじゃあなく身軽なシャナだという事まで先読みして”
クソッたれがッ! この空条 承太郎ともあろう者がまんまと
敵の術中にハマっちまったゼ……!)
吹き出した煙草の吸い殻を足下で乱暴に揉み消した承太郎に、
「君? 随分詳しいんだね?
マジシャンズ、イヤ、シャナ、だっけ? 彼女の事に」
花京院がしげしげと自分を見つめながら言った。
「……」
まるで心理の虚を突かれたように承太郎は一瞬視点が遠くなったがすぐに
「詳しいのはオレじゃあなくてジジイの方だ。
オレはヤローの話を又聞きしただけだ」
と微塵も表情を崩さず否定した。
「そう……」
いつになく強い口調で言ったので花京院は静かに応じ、
そしてすぐ承太郎の瞳を見つめ返した。
「でもこれで敵の狙いは読めた。 “狩人” フリアグネはまずマジシャンズ、
シャナを捕らえた上でそれを罠に利用し、同時に君も始末するつもりだ。
さあ! 先を急ごう! “この人形達と他の生徒の事はボクに任せて” 君は速く屋上に!」
「花京院……テメー……」
その言葉に思わず声が詰まる。
ただ 「戦い抜く」 よりも 『護り抜く』 事の方が遙かに難しい。
自ら一番危険な役目を買って出た花京院の覚悟と決意に、心は静かに震える。
花京院はもう一度穏やかな微笑を浮かべると承太郎に背を向け、
「君は命懸けでボクをDIOの呪縛から救ってくれた!
だから! 今度はボクが君を助ける 「番」 だッッ!!」
そう花京院は、背を向けたまま偽りのない気持ちを力強く承太郎に告げる。
そして。
「ハイエロファント・グリーン!!」
即座に己のスタンドを背後に出現させ、
学生服の裾を靡かせながら職員室の方向へと共に消えていった。
「……」
その彼の姿を黙って見送った承太郎は、
「やれやれだぜ……死ぬんじゃねーぞ……花京院……!」
口元に微笑を浮かべ学帽の鍔で目元を覆った。
←To Be Continued……
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