第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#15
戦慄の暗殺者 〜White Stranger〜
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おもむろに口を開く。
「傷は、もう良いのかよ?」
左手をズボンのポケットに突っ込んだままぶっきらぼうにそう言った。
花京院は承太郎が負傷していない事に安堵の表情を浮かべると、
構えとスタンドを解き彼の傍へと歩み寄った。
「昨日 「あの後」 君の祖父、ジョースターさんに治してもらった。
『波紋法』という能力だそうだね? 精神の力 『幽波紋』 とはまた違う
肉体の力を極めて編み出す超能力らしいが」
承太郎は無表情で、しかし複雑な心情で花京院を見つめる。
昨日の 「あの事」 を責めるべきか?
それとも今自分を援護してくれた事に礼を言うべきか?
そのどちらとも判断が付かなかったので、承太郎は至極一般的な応えを花京院に返した。
「そうは言っても 「アレ」 は万能じゃあねーぜ。病み上がりは家で大人しくしてな」
少々乱暴な物言いだが、視線を逸らす彼に花京院は穏やかな微笑を浮かべる。
「大丈夫さ。多少の痛みはあるが戦闘には差し支えない。
「あの時」 君が猛りながらもちゃんと急所を外して置いてくれたからね。
お優しい事に」
「ケッ……」
そう吐き捨てた承太郎にもう一度笑みを浮かべた花京院は、
次に執るべき行動のため表情を引き締める。
「それより急ごう。もう知っているかもしれないがこの「能力」は、
発動させた「本体」が倒されるまでは解除されない。
時間を於けばおくほど他の生徒達が危険に曝される」
「……」
大体の予測はしていたが複雑な心境の承太郎は、
背を向けた花京院に己の疑問を投げつける。
「まちな。敵のテメーが、何でオレを助ける?」
承太郎は鋭い視線のまま、指先を斜水平に構え向き直った花京院を差す。
その問いへ対して翡翠の美男子は肩を竦め、小用のように軽く答える。
「さぁ? そこの所が、ボクにもよく解らないのだが?」
「……」
承太郎は鋭い視線を崩さないまま花京院を見つめた。
「君の御陰で目が覚めた……それだけさ……」
瞳を閉じまま今度は静かに重く、花京院はそう告げた。
「……」
そのまま、またしばらく静止していた承太郎は
やがて差した指先をゆっくりと折り畳むと、
「フン……なら勝手にしな」
静かに、しかしはっきりとした口調でそう言った。
「!」
その言葉に、花京院は自分でも意外なほど衝撃を受けると
「あぁ、そうさせてもらうよ」
再び穏やかな微笑を口元に浮かべる。
封絶の放つ白い光が、二人のスタンド使いを照らした。
「ところで空条? 昨日君の傍にいたあの女の子、
“マジシャンズ” は、今日は一緒じゃないのか?」
「ああ、アイツは今屋上にいる。 「上」 と 「下」 から追い込めば、
親玉を燻り出して 「挟み撃ち」 に出来
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