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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#15
戦慄の暗殺者 〜White Stranger〜
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その巨大な各々の手には、それぞれファンタジー小説にでも出てきそうな
機能性を欠く大仰な武器が握られていた。
「チィッ! 挟み撃ちかッ!」
 咄嗟の事態に承太郎は、自分を見失わずに冷静に対処した。
『多人数に襲われた時は4方向を同時に対処する』 等という
都市伝説じみた俗説を信じたりはせず、
瞬時にスタープラチナの 「眼」 で前方、後方の個体数を確認する。
(さっきのは 「囮」 ……数は前が 「12」 後ろが 「8」 …… 「後ろ」 だ……ッ!) 
 微塵の躊躇もなく刹那に決断を下すと、
リノリウムの床をスタープラチナの脚力で爆砕しながら踏み砕いて
後方の人形達に迫り、廊下を押し塞ぐようにして向かってくる最前列の人形3体に
接地した右足を軸にして摩擦の火線を描きながら加速を付けた
予備動作(モーション)の大きい右旋撃を撃ち落とし気味に射出した。
「ッッッッラァァァァァァァ!!」
 前方3体の人形に、白金色の閃光が斜めに駆け抜ける。
 途轍もない破壊力とスピードにより衝撃でソレ自身が巨大な人形魚雷と化した
3つの体が後方へと弾け飛び、後ろで構えていた人形達を巻き添えにする形で
5体全てをバラバラにする。
 戦果を耳だけで確認した承太郎は次なる戦闘の為、
フレキシブルに背後へと振り向く。
 そこへ。
「エメラルド!! スプラァァァァァァァシュッッ!!」
 聞き覚えのある清冽な声と共に、
輝く数多の結晶が空間を隈無く数直線状に滑走した。
 死と破壊の煌めきを放つ無数の翡翠光弾は承太郎の後方に居た
12体の人形達の巨体、そのありとあらゆる部分を挿し貫き
飛散する白い炎の破片と共に物言わぬ残骸へと化しめる。
 瞬く間に人形達を貫殺した輝く魔弾の群は、
承太郎とスタープラチナには一発も着弾せず掠る事もないままに
碧い余韻を残しながら遙か後方へと駆け抜けていった。
「無事か!? 空条ッ!」
 花京院は幽波紋(スタンド)法 皇 の 緑(ハイエロファント・グリーン)』 と
共に流法の構えを執り、額に透明な雫を浮かべながら承太郎に叫んだ。
「テメー……花京院……!」
 予期せぬ侵入者に、承太郎はその視線を鋭く尖らせた。
「……」
「……」
 そして無言のまま、互いの瞳に宿った光が空間で交錯する。
 その狭間では、激しい観念での心理戦が行われていた。
 相手との、そして自分自身との。
 DIOの「肉の芽」で操られていたとはいえ嘗ての敵同士、
理屈で解っていても感情はそう簡単にいかない。
 しかし、今自分が居る場所は戦場、どこかに敵が潜んでいる。
 それは承太郎も、そして花京院も、充分過ぎるほど熟知していた。
 下らない私情で大局を見失う事があってはならないと。 
 沈黙の中、承太郎が
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