第88話
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いけどそろそろ乗車するわ。別れを名残惜しんで乗り遅れる訳にもいかないしね。」
深紅の学生服を身に纏ったレンは自分の見送りに来たロイド達を見回した。
「そうか………」
「向こうでもしっかりやれよ………ま、お前の事だから心配しなくてもすぐに順応してやっていけるだろうが。」
レンの言葉を聞いたロイドは静かな表情で頷き、レンに応援の言葉を贈ったセルゲイはすぐに苦笑し始めた。
「………………………」
一方キーアは寂しそうな表情でレンを見つめていた。
「ふふっ、レディがそんな顔をしちゃダメよ?キーアは元がいいんだから、勿体ないわ。」
キーアの寂しそうな表情を見たレンは苦笑しながらキーアに声をかけた。
「ねえレン……レンとはこれでホントのお別れなの………?」
「キーア…………」
レンへの問いかけを聞いたロイドは心配そうな表情でキーアを見つめ
「――――キーア。”特務支援課”だってずっと存在し続ける訳じゃないわ。エリィお姉さんはいつか政治家になろうと思っているし、ティオはエプスタイン財団からの魔導杖の実戦テスト要員だからいつかはエプスタイン財団に戻らないといけないわ。ランディお兄さんはわからないけど……捜査一課の刑事を目指しているロイドお兄さんもそうだし、エリィお姉さん達や新しく支援課にやってくる人達もそれぞれの未来の為に、いつかは支援課を去る事になるわ。レンはみんなより支援課を去るのが少し早かっただけよ。」
「レン………」
「……………………」
キーアを優しく諭しているレンの話を聞いたロイドは驚き、セルゲイは目を伏せて黙り込んでいた。
「―――でも、レンの今のパパが言っているように一度結ばれた”絆”は決して途切れることは無いわ。だから、いつか……いえ、折を見て1年に数回は貴女に会いにまたクロスベルにくるようにするわ。」
「ホント!?」
レンの答えを聞き、レンとまた会える事を嬉しく思ったキーアは期待が籠った目でレンを見つめた。
「ええ。それと向こうに着いて状況が落ち着いたら貴女に手紙を出すわ。返事は期待していいのよね?」
「うん!キーア、ゼッタイに返事を書くから早く手紙を出してね!レンが手紙を出すのが遅かったら、キーアがレンに手紙を出してくれるようにサイソクするよ!」
レンに微笑まれたキーアは無邪気な笑顔を浮かべて答えた。
「クスクス、”催促”なんて子供にとっては難しい言葉も既に使っているなんて、一体誰の影響かしらね♪」
(どう考えても君だろ………)
「クク………」
からかいの表情で呟いたレンの言葉を聞いたロイドは疲れた表情で指摘し、セルゲイは口元に笑みを浮かべた。
まもなく2番ホームに帝都
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