インターミドルに向けて
二十五話
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も悪くも予想しか出来ないのが現状だ。
「アレクは……真っ新な状態から始めなきゃならねえ。覇気のサポートなんて早々できるもんじゃないからな」
「そうなんだ……」
「まぁ、お前とクリスと一緒だよ。一歩一歩進んで行かなきゃいけないってのはな」
視線の先をクリスへと向ける。
ヴィヴィオの愛機であるクリス、正式名称セイクリッドハートも、受け取った時には殆ど真っ新な状態であった。
まだ道を探し彷徨うヴィヴィオのお供に。そして、ヴィヴィオと共に成長していくよう2人の母から願いも込めて贈られたのだ。進んだ道後が、己の意志みちを支える血肉となると信じて。
おそらくアレクのデバイスにも、同じような想いが込められているのだろう。そうヴィヴィオは思い、信じた。
「ノーヴェ。わたし、強くなりたい。今よりもずっと――どこまでも」
どこまでも上を目指そうとする競技者にとって必要不可欠な意志。強い、貪欲なまでの意思が感じられ、ノーヴェは自然と頬を釣り上げていたことに気付く。
その思いを叶えさせる為に用意した物を手渡した。
「じゃあ、始める前に、コレを付けてもらおうか」
◆ ◇ ◆
構え、見据えた相手に、警戒音がアインハルトの脳内に響き続ける。
スパー相手はインターミドルの上位ランカーであるミカヤ・シェベル。居合を主に使い、相手を一瞬でも気を抜けば一刀のもと切り伏せられるだろう。先程も、一瞬の隙を突かれ一太刀で膝をつかされたばかりなのだ。
一筋の汗が頬を伝い、足元に落ちる。
それが合図かのように、ミカヤは構えを解いた。
「少し休憩しようか」
「いえ、まだやれます」
「そうは言っても動きが悪くなってるよ。それに、無理強いでどうにかなる程、そのリストバンドの負荷は甘くないんじゃないかな?」
「にゃ〜」
アインハルトに否定はできなかった。肩に乗るティオも同意するように鳴いていた。
ノーヴェからつけるように言い渡されたリストバンドは魔力負荷を与え、魔法運営どころか身体にすら負荷を与えるものであった。なので付けた初日に慣れるなんて到底不可能であり、身体の動きがどこかぎこちなかった。よって、放った技にすら振り回されてしまっていた。
「アレクくんは……まだ夢中みたいだから後で誘おうか」
道場の端を見ると、宙に浮くアルと、拳を虚空に向け突き出し続けるアレクの姿があった。
当初、身体全体に負荷が掛かるリストバンドを付けたり外したり面白がっており、次いで起こる動作への影響も楽しんでる節があった。
そこに熱が入り、今は周りが見えなくなっている状態である。だがアインハルトと違いスパーしていたわけではないので、まだ余力はありそうに見える。
「さ、汗臭い道場じゃなくて縁側で休
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