インターミドルに向けて
二十五話
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聖王教会中庭にてノーヴェを待つヴィヴィオは、クリスと共に空を見上げている。しかしその目は空を捉えている訳ではない。脳裏に浮かぶ先程の軽い手合わせに意識は捉われていた。
相手にとったのは教会のシスターであるシャンテ・アピニオン。
身軽なフットワークから放たれる鋭い斬撃。それ自体はクリスのサポートもあり防げていたが、問題は最後の一手だった。
シャンテが構えた瞬間、ガードした腕ごと切り落とされる……イメージが過った。放たれはしなかったものの、明確に脳へと刻まれた。
(今のわたしは……全然通用しないんだ)
知っていたことであった。理解していたことであった。だが体感し、直面してでのことではなかった。
同じチームに居るアレクとアインハルトも自身より強いが……思い返してみれば全力をぶつけられたとは言い難い。アインハルトはまだしも、特にアレクは……
何故などという疑問はない。弱いからだ。
強くなるには――戦闘スタイルの変更が手っ取り早い。元々、ヴィヴィオの資質は中後衛型であり、その資質に合わせた方が成長は早い事は確かなのだ。
だがヴィヴィオはその道を選ばない。格闘戦技が好きであり、その為に一番合った戦法を考え教えてくれた師だって居る。この道で出会った仲間だって居る。ただ強い道なんて――――もう選べない。
(でもこのスタイルで強くなるんだ……どこまでだって!!)
拳を握り、今度は挑むように空を見上げる。
すると、ヴィヴィオの顔を影が覆った。その正体は、アレクとアインハルトのデバイス調整を見届けたノーヴェだった。
「よっ! 待たせたか?」
「あ、ノーヴェ! ううん全然!」
「リオとコロナは……もい行ったみたいだな」
「うん。もうディードとオットーが連れて行ったよ」
「ならあたし達も行こうか」
「うん。行こ、クリス」
場所を移そうと歩くノーヴェにヴィヴィオとクリスも続く。
その最中、気になった2人の事を聞いた。
「ねえノーヴェ。デバイスはどうだったの? 上手くいったの?」
「ああ、好相性だったよ。特にアインハルトは10年来の愛機と言ってもいいくらいだったぜ」
「へぇー凄いねぇ。アレクさんは?」
「アレクは……」
八神家で行われたデバイス調整は大成功と言って良い程のものだった。真正古代ベルカの集まりが作り、調整したものなのだから当然とも言えよう。
因って代を重ねども真正古代ベルカの使い手であるアインハルトが好相性を出すも当然。調整も微々たるもので済んだ。後は相棒との息合わせくらいなものだろう。
一方アレクも真正古代ベルカであるので好相性ではあった。資質や魔力運営に関しては、であるが。覇気に関してはお手上げに近かった。
なのでアレクとデバイスの先は未知である。良く
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