自分の流儀を貫いて
11話:自分で建てる、だめなフラグ
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つんっと塩の香りが鼻につく。周りでは、様々な音が鳴り響いている。
(あれ……何してたんだっけ……、ここ……どこ……?)
段々と鮮明になっていく視界の中、まず見えたのは、飛空挺“フッケバイン”と“ヴォルフラム”。そして、遠くでは誰かが戦闘をしていたのが見える。あ、誰か落ちた。
「そうだ……俺、“ヴォルフラム”の上から落ちだんだっけか……」
“ディバイドゼロ・エクリプス”を喰らい、姿勢制御ができず、加速の勢いをそのままに、海へと落下。カッコ悪い……。
「てか、あんなに辛いものだったのかよ」
俺が落下して、どのくらい時間が経ったのかはわからないが、身体のダルさというか、震えがまだおさまらない。俺の身体が弱いのか、それとも“ディバイドゼロ・エクリプス”が強力なのか。恐らく、前者だと思うのだが……。
「それにしても、海に落ちて、全身打撲でもしてるかと思ったけど、大丈夫だったのか?」
辛い身体にムチを打ち、なんとか起こしてみると、俺は“蒼十字の書”のページが敷き詰められた上にいることがわかった。どうやら、俺のクッションになっていてくれていたようだ。ありがたい。でも……“蒼十字の書”が勝手に何かをするというのはかなり珍しい。戦闘記録は毎回録っているようだが、“蒼十字の書”による攻撃や防御は一々要請しないとやってくれないし、戦闘が終わるとすぐにいなくなる。これは、ドライバーの保護機能かな? しかし、なぜか俺がゲームをしていると絶対に隣にいる。見ているのだろうか?
「何はともあれ、ありがとう、蒼十字」
『要請によるドライバーの保護、完了』
たぶん、会話が噛み合ってない。てか、誰が要請したんだ?ここには俺しかいないんだけど……。
「まぁ、考えても仕方ないか。今、出来ることを探さないと」
敷き詰められたページは、大きさが畳4つ分くらい。しかも、そのまま“フッケバイン”と“ヴォルフラム”と並走するように飛行していた。本当に多機能すぎる。最近は動作が遅いけど。
「とりあえず、もう一回“ヴォルフラム”に行ってか…………何あれ」
見上げていると、そこに大きな氷の塊が出現した。それは今まさに“フッケバイン”の上に落ちようとしている。あれは、八神はやて司令の“ヘイムダル”だ!
「えっと……“ディバイドゼロ・エクリプス”が二巻の終わりだろ。で、“ヘイムダル”が出てくんのはたしか三巻の最後らへん……どんだけ俺、気絶してんだよ!? よく、捕まらなかったな!」
これも、“蒼十字の書”のおかげか。とにかく、早く“ヴォルフラム”に行って状況の確認をしないと。可能なら、八神はやて司令を止める!
「念のため、転移の準備をしとこう。蒼、よろしく!」
『…………Jud。座標算出開
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