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が睨み合っているかのように見えたと。

「冗談ですよ織斑先生。オルコットハンデについては今日のディナーで話し合おうか?」

 今までとは打って変わりただの優しい男性へと戻る、道化の皮を再びかぶり感情を中に圧しとどめた。
 その後、セシリアはヘタヘタとその場に座り込み、他の女子たちも息をするのを忘れていたようで大きく息を吸い込んだ。

「・・・・・さて、話はまとまったな。それでは勝負は一週間後の月曜。放課後、第三アリーナで行う。織斑と瀧、オルコットはそれぞれ用意をしておくように。それでは授業を始める」

 ぱんっと手を打って千冬が場を纏め、何気ない日常は止まった針を動かした。











「瀧、お前の部屋のカギだ。」

「あれ?暫くは近くのホテルに泊まっている予定なんだけど?」

「大人の事情だ。着替えさえあれば十分だろ、ほら」

「俺をなんだと思っているんだい?」

「・・・まぁそれは置いといてだ」

「わかっているよ、それよりもこの後オルコットとディナーの約束をしているんだ、早く行かなきゃ?」

「まさかその状態で本当に戦るつもりか!?棄権してもいいんだぞ・・・?」

「・・・ちーちゃん、俺は何も知らないくせに勝手に人を見下すような奴は嫌いなんだ、オルコットが今までどんな努力をしてきたかは知らないけど少なくとも右手の中指を見れば相当なことをやってきたってわかる、個人としては認めるけどあの態度だけは気に食わない・・・」

「質問に答えろ、その状態で本当に大丈夫なのか?」

「痛みならそれを超える覚悟で耐えればいい、そんなの至極当然だろ?」

-まぁ、治せるんだけど?

「分かった、もう何も言わん」

「うん、じゃあ行ってくるよ 」


 何事もなくすたすたと食堂へ向かう洸陽を見えなくなるまで見届けると千冬もその場を後にした。



 4

 好奇の視線、勧誘、黄色い歓声を会釈し、はたまた手を上げてなれたように交わし人だかりを颯爽と抜けていく。目指すのはイギリス代表候補生、お高くとまったお嬢様のもとへ。

「ご一緒してもいいかな?」

セシリアは身構えたままコクンとうなずく、すでにトレイを相席に置き座る気満々の相手に拒否の意思を示しても意味がないことを分かっていたからだ。

「おや、さっきは散々日本のことをバカにしていたのに夕食が和食とはね 」

 安い挑発、すでに洸陽が他の男と明らかに違うと認識していたセシリアは無知な一夏とは違い未知な洸陽の前で好きを見せたらいけないと直感し、冷静に対処していた。

 幾重にも重なる挑発にセシリアは青筋を浮かべ時には怒りそうになりながらなんとか耐えていた。

 暫くすると洸陽も諦めたか
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