プロローグ
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なんとなく興味本意でついていった姉が通っていた武術場。─剣術、空手、柔術、護身術、合気道等々様々な武術を取り扱っていた─その場所で、俺は『冷徹』にして『非情』にして『最狂』へ至る異質な才能に初めて気付いた。
しかし、『冷徹』にして『非情』にして『最狂』という中2めいた肩書きは、本当のところ否めない、皆が持っているであろう黒い感情が他の人より浅い場所にあって、どこかが悪い方向にが異なっていた。
異質な才能があったのは事実で冷徹というところまでは自負しているけれど、非情で狂っていることに関してはどうしても受け入れられなかった、本物の非情で狂った人物にならないで済んだのは本当の意味で周りの人達にめぐまれていたからに違いない。
最初に気付いたのは術場の先生、何かがおかしい口癖のように呟いていたと姉は言っていた。
何かがおかしい、その違和感は時間が経つにつれていつかは確信に変わる。
空手の組み手をしていたとき、相手の子が呟いた一言が確信に変わったらしい。
─何ではいらないんだよ
そう、見事なまでに、恐ろしいくらいに決定打がはいらない、当時相手を攻める気がなく、痛いのが怖くてひたすら守りに徹していたのは記憶に残ってはいる。
先生が驚いたのはその事実を知った後の俺の動きだったらしい。
先生曰く、体捌き、とっさの判断力、反射で避けた後の対応が普通でないとのこと。
このとき小学生2年生で詳しいことはあまり覚えていないが、このときはまだ天才少年だったのだ。
冷徹と呼ばれ始めたのは3年生の時、冷静に攻撃を避け続け一瞬の隙をついて決定打を決める、そういう戦い方を冷徹というのは至極当然で今思い返せばそう呼ばれていたのも納得がいく。
非情で最狂となったのはただ一回の過ちで、その一回の過ちは天狗になっていた俺にとってはなによりもいい薬であり、自分の中の黒いものの正体を認識した最初の出来事。
そして、その日から自分が興味あるもの(人や物事)意外には全く興味を示すことがなくなり、寧ろ拒絶し始めた。
3
なんやかんだで順調に成長していった結果、国立宝束中学校に進学することに決定した。
現在の通称『Is学園への一番の近道』今までの通称『日本最高峰校』、この学校は高水準での文武連動、もしくはどちらかに偏りのある者、砕いて言えばスーパーエリート、脳筋、変わり者の3つの人種が混在する場所である。
もちろん俺は脳筋タイプ、この学校では下の中をさまよっているため武に特化するしかないのだ。
最大の特徴は、アメリカンなスタイルの部活である。兼部ある程度オッケー、転部も同じくオッケー、だから熱い青春ドラマは余り繰り広げられることは滅多にないが結果が全てのこの場所ではやはりある程度
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