即答
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夫だと言えるのか、レオンとラウルは自信満々。でもシリルにあっさり突っ込まれ、少しションボリしてました。
「あんたたち、いつまでもしゃべってないで行きましょ」
「遅刻しちゃうよ〜」
そうこうしてる間に、依頼に行く時間が近づいてきていました。
「じゃあね、レオン」
「また後でね、シリル」
「オオッ」
「いってらっしゃい!!」
手を振って魔法学校がある方へと歩いていく私たち。シリルとレオンもギルドへ向かって歩き始めました。
「楽しみだなぁ、学校ってどんなとこなのかなぁ?」
「ついてからのお楽しみでいいんじゃない?」
「そうだね〜」
私は学校というものに行ったことがありません。そもそも妖精の尻尾の皆さんも学校にいったことがある人なんかほとんどいなかったし、話を聞いたこともないんだよねぇ。
「ねぇシェリア、学校って――――」
隣を歩くシェリアに色々聞こうと声をかけます。しかし、彼女は私ではなく、なぜか後ろの方を見ていました。その瞳に映っているのは、先程別れたばかりの三人の少年たち。
「シェリア?」
「!!ごめん、何?」
どうやら私の声が聞こえていなかったらしく、今初めて気付いて体をビクッとさせながらこちらを向く天神。そんな彼女をからかおうと思い、ちょっと笑みを浮かべながら話しかけます。
「レオンと一緒じゃないと心配?」
「えぇ!?」
予想よりもはるかに動揺しているシェリアを見て、どうしたのかなと逆に不安になってしまう。そこまで動揺することじゃないと思うんだけどなぁ。
「別にあたしは心配とかじゃなくて、ただ不安だなって思ってるだけで」
「落ち着いてシェリア」
心配と不安って大差ないと思うんだけど・・・
そう思っていると、シェリアは何かに気付いたらしく、さっきの私と同じような顔をしています。
「わかった。ならウェンディも不安にさせてあげる」
そう言って彼女は私の顔を両手で挟み、彼女が見つめていた男の子がいる方へと向けさせます。
「ラミアってどんな依頼あるの?」
「そっちとあんまり変わらないな」
「レオンが討伐ばっかりだからじゃない?」
笑顔を見せながら楽しそうに会話をしているシリルとレオン。でも、その光景を見た時、私はさっきまでのシェリアの気持ちがわかりました。
いつの間にか猫の姿になったラウルを抱えているシリルと寝癖を直すために髪をグシャグシャとしているレオン。その姿はまさしく幼さが残る思春期のカップル。ラウルが人間の姿ならこうは思わなかったけど、エクシードの姿で、しかもシリルに抱えられているせいで、ぬいぐるみを抱えている女の子とだらしのない男の子の構図に見えてきてしまう。
「ね?不安になったでしょ?」
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