Chapter U:Xenogenesis
第07話:abnormality
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リアの教え通りにアイズは戦う。
そんなアイズ目がけて、女体型の頭の管から大量の腐食液が放出される。
「(――っ、それは想定済み)」
一瞬驚くも、モンスターの外見から予想できる攻撃タイプから外れた攻撃では無い。一泊遅れてアイズが回避した場所を腐食液が溶かす。
そしてアイズは再度女体型へ突撃。エアリアルによる付与により攻撃力が大幅に上がった一閃は女体型の腕を一本切り落とす。
「―――――ァァ!!!!!」
「――っ!」
だが、女体型もただでは終わらない。宙に浮いた状態のアイズをもう片側の腕二本で上へはね飛ばす。
しかし、アイズの方が更に一枚上手だった。風を操り空中で体勢を立て直し、50階層の天井で着点。
「(――あれは?)」
天井から50階層全体を俯瞰したアイズの視界の端――50階層の端の方で黒い服を着た数人が見える。だが、腐食液による煙が立ち込めるせいで黒い服を着ていることくらいしか分から無い。
とりあえず今は目の前の女体型を倒す。
そう割り切ったアイズは更にエアリアルを最大出力へ。それを愛剣へと収束させ、天井から発射。
「リル・ラファーガ」
女体型の頭上から一気に加速し、アイズ自身が一筋の風の矢として直進する。
女体型が気づいたときには既にアイズは半分以上の高さを過ぎ最高速度へ到達している。女体型が残った三枚の腕を盾にし、アイズのデスペラートと接触する。
「――!」
拮抗したのは僅か一瞬。アイズが討ち勝ち女体型を貫通する。
直後、大爆発。
見事女体型を打ち取ったアイズの様子を見に、連絡路からフィンたちが向かって来る。
「アイズ――!!」
「アイズさーん!」
ティオナやレフィーヤなどを筆頭に、皆が勝利の喜びを顔に出している中、唯一人、アイズだけは浮かない顔をしていた。
「(―――あの人は、一体)」
アイズは確かに見たのだ。アイズと女体型が僅かに拮抗した瞬間、女体型を貫通した黒い姿を。
人に見えた。ローブで顔を隠した黒い服を着た人だ。
だが、アイズと女体型が拮抗した僅か一瞬に女体型をアイズの『リル・ラファーガ』よりも迅く、しかも素手の状態で女体型を貫通するなど信じられない。そのような芸当が出来る一級冒険者などアイズは知ら無い。
「アイズ?」
「――ううん、なんでもない。」
「よし、ラウルたちに早く合流しよう!行くぞ!」
皆にもそれを伝えようと思ったが、そんな与太話を誰が信じるというのか。そもそもこの階層には自分たち以外にはいなかった筈である。
そういえば、途中で来た援軍の人。彼は誰なのだろうか。
「(――あれ?)」
そんな事を考えながら上層へ向かおうとするフ
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