Chapter U:Xenogenesis
第07話:abnormality
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定外だった。
「(あのようなモンスターは一年前はいなかった筈...何が起きている?)」
一年前に89階層へ赴いた時以降は50階層を超える場所の探索は行っていないラインハルト達。この一年間の間に51階層より下層で何が起きているというのか。
「(89階層まで行く必要があるな)」
ラインハルト一人でもおそらく行けるのだが、行くからには魔石やドロップアイテムは回収したいし、何より面倒くさい。
今はそれよりもやるべき事があるので、とりあえずはあのモンスターを数匹捕獲する事にしたのだ。
「さて、私も出るか。」
「ハイドリヒ卿も出るんですか!?」
SS服の上にローブを羽織って顔を隠すラインハルトに驚いたようにリザが問う。
「あのモンスター相手ならば【剣姫】一人でも十分だろうが、おそらく魔石を回収できないのでな。卿らは己の役割を果たせ。」
「り、了解。」
「あと、ベイもそろそろ連れ戻しておけ。大分遊んだだろう。」
リザに指示を残してラインハルトは高台から一足で跳び下り、女体型へと向かって行った。
「(このモンスター、強い!)」
一方、女体型を一人で相手するアイズはフィンたちが連絡路へ逃げ切るまでの陽動を行っていた。
だが、第一級冒険者の中でも敏捷は高い部類に入るアイズですら女体型の広範囲攻撃と俊敏さの前に苦しい展開を強いられていた。
腐食液はエアリアルで吹き飛ばせるものの、地面が溶ける事で徐々に足場が制限されていく。更に腕から放たれる鱗粉による爆撃も拍車をかけてアイズが女体型へ近づくことを許さない。
「(間違いない、このモンスターは階層主クラスだ)」
確実にゴライアスよりは強い。ウダイオスよりは少し弱いかもしれない。
推定レベルは5〜6といったところか。
そのまま陽動を続ける事およそ2分。後方上空で閃光が破裂する。フィンたちが連絡へ到達した信号だ。
――勝負。
先程とは打って変わってエアリアルの出力を上げ、一気に女体型へ疾駆するアイズ。僅かに女体型の反応が送れた隙に彼女は既に女体型の足元に到達していた。
愛剣、『デスペラート』による一振りで、胴体の片側の足を一思いに切断。バランスを崩した女体型が転倒。
巨大を誇るモンスターを相手にする際には足を狙い動きを制限する。今までの冒険で培われたセオリーだ。
そして、転倒した際に腕の内側の鱗粉が撒き散らされ、女体側の周りで大爆発を起こす。
「―――――――――ァァァ!!!」
モンスターが怒り狂った絶叫を上げる中、アイズは既に鱗粉の爆発域から離脱を終えている。
「(爆発までおよそ3秒。)」
初見のモンスターは情報収集が大事。自分に冒険者としての心得を叩き込んだリヴェ
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