Chapter U:Xenogenesis
第07話:abnormality
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っかッ―!!」
「ぬんッ!」
それは皆も同じようで、先程よりも更に苛烈に攻撃を開始する。
ベートはアイズから風を貰い銀靴に風を纏うと芋虫型モンスターを鋭い蹴りで捌いていき、ティオナとガレスは大斧で岩石を吹き飛ばす。アイズはエアリアルの出力を上げ、後衛のリヴェリアとレフィーヤも負けじと魔法を放って行く。
一気に攻勢に出た彼らと、カインの絨毯爆撃のような衝撃波によって瞬く間に芋虫型モンスターは数を減らしていく。
このまま押しきれる。
誰もがそう思った瞬間、芋虫型モンスターの遥後方から木々を薙ぎ倒す大きな音が響く。
「何だあれは...」
「ひっ」
後方の高台にいたリヴェリアとレフィーヤはそのモンスターの姿を見て思わず呻く。
「―ッ、全員下がれ!」
「何だありゃあ...」
一呼吸遅れてそれに気づいたフィンが慌てて指示を出し、ベート達も漸くそれに気づいて戦慄する。
「人型?」
ティオナの呟きは、その場にいた全員の心情を代弁していた。
先程の芋虫型モンスターよりも更に巨大な、6Mはあろうかという人型の上半身を芋虫から生やした巨大なモンスター。扁平な二対四本の腕を持ち、頭から後頭部の方へ流れる長い数本の管。
妊婦の如き下半身が、これが芋虫型モンスターの母体ではないかという仮説をその場にいる全員に抱かせた。
「あんなの倒して腐食液が飛び散ったら――」
「多分、この階層全部に腐食液が飛び散るだろうね。」
ティオネの呟きに、あくまで冷静な口調で答えるフィンだったが、実際はかなり焦っていた。
「あやつ、まだ戦っておるぞ!?」
更にガレスの目線の先を辿ると先程の大男――カインが未だに戦い続けていた。
既に全身の皮膚が溶け出しており、大剣を持っていない左腕は力なく垂れている。それでも『黒円卓の聖槍』を振り回し衝撃波を放ち続けるカインにフィンたちは言葉に出来ない程の畏れを感じた。
そして、そのカインに向かって巨大な女体型モンスターが近づき、もう少しで衝撃波の射程に入るかというところで歩みを止め――
「なっ!?」
モンスターが腕を振るうと同時に腕の内側から播き散った黄金色の鱗粉が、カインの頭上で大爆発を起こした。
衝撃でカインの左腕と共に周りにいた芋虫型モンスターも爆発で吹き飛び、さらに芋虫型モンスターの四散と共に腐食液がカインへ振りかかる。
最後に、女体型は上半身を逸らし、顔に当たる部分に割れ目を作るとそこから勢いよく大量の腐食液を吐きだし、腐食液によって肉が焦げるような臭いと音、煙が立ち込める。
煙が晴れると、そこにはカインが持っていた『|黒円卓の聖槍《ヴェヴェルスブルグ・ロンギ
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