暁 〜小説投稿サイト〜
本気で挑むダンジョン攻略記
Chapter U:Xenogenesis
第07話:abnormality
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起きよ そして参れ 私の愛の晩餐へ》

Yetzirah(形成)――』 

Pallida Mors (蒼褪めた死面)


 第50階層の天井付近で展開される巨大な仮面。それが開き、隙間から一つの物体が物理法則に従って落下する。
 それは仮面を付け、一つの大剣を抱えて体を丸めた大男、トバルカイン。その正体は『黒円卓の聖槍(ヴェヴェルスブルグ・ロンギヌス)』によって呪われたダンジョン17階層の迷宮の孤王(モンスター・レックス)、ゴライアス。
 大きすぎる『黒円卓の聖槍(ヴェヴェルスブルグ・ロンギヌス)』の負荷によって数回の戦闘でしか使えず直ぐに自壊してしまうまさに使い捨ての戦闘人形。
 そのままカインは【ロキ・ファミリア】のすぐ近くの芋虫型モンスターを落下の衝撃で押し潰し、腐食液を辺り一面に飛散させる。

「■■■■――――――!!!!!!!!」

 その衝撃に何事かとフィンたちが目を向ける中、腐食液によって皮膚を溶かしつつも立ち上がったカインは大きな咆哮を上げた。


 ???


「今度は何が来やがった!」

 芋虫型モンスターを相手しながら、【ロキ・ファミリア】の面々咆哮の発生源の方へ目を向ける。
 そこにいたのは腐食液の中大剣を持って佇んでいる大男。皆が訝し気に目を向ける中、ゆっくりと大男――カインが『黒円卓の聖槍(ヴェヴェルスブルグ・ロンギヌス)』を上段に構える。
 次の瞬間、『黒円卓の聖槍(ヴェヴェルスブルグ・ロンギヌス)』の表面から風が奔る。

「――!」

 フィンを始めとした数人がその現象の意味するところを理解し、次の瞬間にはその場にいた全員が理解する。
 カインが振り下ろした『黒円卓の聖槍(ヴェヴェルスブルグ・ロンギヌス)』から上位冒険者の放つ魔法にも劣らない威力の衝撃波が放たれ、射線上にいた10以上の芋虫型モンスターを衝撃波が吹き飛ばし、押し潰したのだ。

「魔剣だと!?」

 遠方から見ていたリヴェリアも驚きの声を上げる中、更にカインが二発目の衝撃波を放つ。
 それによって更に吹き飛ぶ芋虫型モンスターたち。しかも、『黒円卓の聖槍(ヴェヴェルスブルグ・ロンギヌス)』の魔力に反応したのか、それとも素体となったゴライアスの魔石に反応したのか、芋虫型モンスターはフィンたちをそっちのけでカインの方へと襲いかかっていき、カインの攻撃によって吹き飛ばされていく。
 カインの参戦によって戦況は一気に傾いた。

「(僕たちには攻撃してこない...味方か?)」

 自分たちから芋虫型モンスターの意識が逸れたとは言え、ここで『怪物進呈』などしようものなら【ロキ・ファミリア】の沽券に関わる。そもそも、そんなこと自分たちのプライドが許せない。

「負けてられ
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