Chapter U:Xenogenesis
第07話:abnormality
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せる。」
「了解っす。」
苦渋の選択だが、団員の命には代えられない。フィンは第二級冒険者であるラウルに撤退の指示を代行するように命じた。
「似ているな、一年前に。」
「君もそう思うかい?」
「ああ。嫌な思い出だ。」
リヴェリアとフィンが思い浮かべるのは、丁度一年前に行った遠征での出来事。
今回のように50階層でキャンプをしていた【ロキ・ファミリア】の元へ、突如として『竜の壺』から飛龍などのモンスターが押し寄せ、これを撃退するもサポーター数名の犠牲者を出してしまったのだ。
「ただ、あの時と今回ではちょっと違うところもある。」
「ああ。あの時はモンスターが何かに怯えているようだった。今回はそうじゃない。」
「だが、一年前の出来事を期に、ダンジョンでも異常事態に遭遇する事が多くなった。下層より下ではモンスターも強くなっているように感じる。『強化種』などが良い例だ。」
フィンとリヴェリアが考察を重ねる中、ラウルから撤退の準備が出来たことを知らされ、ひとまずは地上に戻ってからまた情報を整理しようとフィンが考えていたその時。
「――ッ!!」
フィンの親指が唐突に疼き始めた。それも今までにない程に。
「総員即時撤退を開始するッ!急げッ!」
その場で声を張り上げたフィンに、団員たちはおろかリヴェリアですら瞠目する。だが、今までにフィンの指示で何度も危機的状況を脱してきた第一級冒険者の面々は即座に行動を開始。それに漸く状況を理解したのか慌ててその他の団員たちも慌てて荷物を纏め隊列を組み始める。
だが、フィンの指示はこの時ばかりは遅すぎた。
「団長ッ!?」
「来たかッ」
ティオネの叫び声で何かあったかを察したフィンは51階層へ続く連絡路へと目を向ける。
そこには先程の芋虫型の新種のモンスターが、先の戦闘以上の数で押し寄せてきていた。
「(間に合わないッ!)」
モンスターの進行速度からして、積み荷やサポーターを抱えた状態での撤退戦は不利。かといってこのまま残って殲滅戦を行うのも自殺行為。
「ラウル!アキ!積み荷とサポーターを連れて先に撤退しろ!」
「団長!?」
「18階層まで突っ走れ!早く!」
「〜っ、総員俺に着いてくるっス!」
フィンの指示でレベル4であるラウルとアキを中心に先に団員を避難させる。
そしてフィンの元へガレス、リヴェリアにアイズ、ベート、ティオネ、ティオナ、そしてレフィーヤも集まる。
そこにいる皆が自分たちの役割を理解していた。
「すまない皆。僕たちでこいつらを足止めする。」
「了解。」
「仕方ねえだろ。雑魚がいたらお
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