暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王EXA - elysion cross anothers -
PROLOGUE EDITION Volume.1
PE01-JP005《一撃必殺は思うようにいかない》
[5/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「ねえ、ゆみなちゃん」

 と、家の方から声をかけられた。
 声の主は、アッシュブロンドのウェーブがかかった髪を腰の辺りまで伸ばした少女。さっきゆみなと料理していた人だ。たしか、エリュシオンさん……だっけ?

「……あれ、アイシアさん? どうしたんですか?」
「どうして今《水霊術−葵》を発動したの?」

 ……ああ、そういうことか。
 確かに、一般的にこういった行為は推奨されない。とは言えど、さすがに例外が無いわけではない。

「《クリムゾン・ブレーダー》に攻撃されたからです」

 そう、例えば今回がその例外。

「《クリムゾン・ブレーダー》のような一部のモンスターには、相手モンスターの戦闘破壊が効果の発動トリガーになっているものがいます」

 似たような効果トリガーに"相手への戦闘ダメージ"があるけど、それは割愛で。

「そして、《クリムゾン・ブレーダー》の効果は……"相手モンスターを戦闘破壊した次のターン、相手はレベル5以上のモンスターを場に出すことが出来ない"というものです」
「な、何それ!?」

 ま、そんな反応だろうね……。
 厳密に言うと、セットと反転召喚は出来る。でもそんな場面見たことないし。実質的に、場に出せないと言っていいだろう。
 戦闘破壊を介する必要こそあるものの、この効果に殺されるデッキは少なくない。"カオス"や"シンクロ"のギミックを取り込んでいるデッキはほぼ確実に縛られるし、高レベルのドラゴン族を軸としている【聖刻】や【カオスドラゴン】、そして……

「儀式を軸とした私の【リチュア】なんか、効果を発動させたら勝利不可(サレンダー)ものです。ある程度のダメージを覚悟してでも、それだけは防がないといけないんです」
「……でもさ、ゆみな?」

 ふと疑問に思い、ゆみなに聞いてみる。

「"エリアル"の効果で"ビースト"持ってきて、次のターンに"マエストローク"出せばよかったんじゃない?」

 《リチュア・ビースト》は、召喚時に墓地にいるレベル4以下の"リチュア"を特殊召喚する効果を持っている。自身のレベルが4だから、そこからオーバーレイしてランク4の《交響魔人マエストローク》を出す。破壊耐性持ちだから、その次のターン《クリムゾン・ブレーダー》に戦闘破壊されることはなくなる。

「風見君、《デモンズ・チェーン》」
「ごめんなさい」

 《水霊術−葵》で確認した通り、俺の手札には相手モンスターの効果を封じる《デモンズ・チェーン》があった。もし俺の言った通りにしていれば、《ビースト》の効果を無効にされるだけでなく、そのまま《クリムゾン・ブレーダー》の餌食となっていただろう。

「……まあ、結果論ですけどね」
「そうなんだけどさ。一見どう見ても正しいと思
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ