第62話今度こそ!!
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かにもよるかな」
家族愛という形だったら、おかしくはないと思う。いや、むしろ良いと思う。オレだって、未来にはいつでも笑っててほしいし。でも、直葉ちゃんの意味は違う気がする。何だかまるでーーー
「あたし、あたし・・・」
いや、彼女は本当にーーー
「あたし・・・お兄ちゃんが好きなんです」
兄の和人に恋をしている。和人と直葉ちゃんはーーーついでに言うとオレは従兄妹だ。従兄妹だったら、まだ恋愛は可能と言われている。それなら彼女の気持ちが和人に届けば、和人の返答次第では恋人にもなれる。だがSAOで、和人には恋人が出来た。その間に彼女が割り込む事はーーーそう考えると、残酷なのは仮想世界だけじゃないと思えてくる。でもーーー
「直葉ちゃん。オレ口下手でさ、キミに気の利いた事なんて言えないと思う。だから・・・和人の言葉を借りようと思う」
「え?」
本当なら、和人が言うべきなんだろう。でも、今彼女の心を少しでも救えるのならオレが言う。和人はーーー
『スグにはずっと寂しい思いをさせてたから、今まで離れていた分、少しでもスグとの心の距離を縮めたいと思ってる』
確かにこう言った。
「お兄ちゃん・・・そんな風に思ってくれてたんだ」
「あとはキミ次第だ」
これは本来、桐ヶ谷兄妹の問題だ。オレがこれ以上口を出す訳にはいかない。でもオレの声で、言葉で救えるのなら、オレは許される限り力になりたいーーー
三人称side
アルヴヘイム・ケットシー領、首都フリーリア上空
この妖精の世界も現実世界も、今現在完全な真夜中。雲を突き破る程に高く伸び、この世界のどこからでも目に映る大樹ーーー《世界樹》。その樹よりもさらに上空の満月の逆光を浴びて、鐘の音を響かせながら空を飛ぶ巨大な建造物が姿を現す。
「まさか本当にこんな事が出来ちまったとはな・・・」
「ホンマやで」
「もう二度と見る事はないと思ってたからな」
「でもこうして、あたしたちの前に再び現れた」
この空の光景を見て目を疑う者たちが翔んでいた。背中に半透明な羽を携えたこの世界の住人ーーー妖精。
緑色の羽を携えた風の妖精族、シルフの少年ーーーライト。
赤色の羽を携えた火の妖精族、サラマンダーの少女ーーーキャンディ。
黒い羽を携えた影の妖精族、スプリガンの少年ーーーミスト。
黄緑色の羽を携えた音楽の妖精族、プーカの少女ーーーミラ。
彼らの目に映った物は、かつて純粋な悪の頭脳を持つ一人の男が想像した物だった。そしてその巨大飛行物体が空中で停止し、金色の光を発した。その巨大飛行物体の正体、それはかつて4000人以上の死者を出した、空に浮かぶ異形の城ーーー
「《浮游城アインクラッド》・・・」
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