ターン52 鉄砲水とゾンビ軍団
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、とりあえずこれで……」
「デュエル……デュエル……」
「んなわけないかぁ……」
振り返ると、今まで机の陰に隠れていたのか1人のブルー生徒がのろのろとこちらに向けて歩きだしていた。こいつの顔にも案の定、ひどい隈と貼り付けたような笑い顔がある。出来ればスルーして逃げたいところだけど、あのブルーの顔には見覚えがある。といっても別に直接の知り合いというわけではないが、確かこの学校の陸上部で短距離のエースを張っている奴だ。1階の奴らみたいに歩いてのろのろ来るだけならなんてことはないけど、もし全力ダッシュされたら爆発力じゃ勝てる気がしない。
となると、やはりこれしかないか。デュエルディスクを構え、せめて早く終わらせてその隙にここを脱出しようと心に決める。
「「デュエル!」」
今度の先攻は僕。もっともだからといって、特に目立った動きができるわけでもない。
「ハリマンボウを召喚。これでターンエンド」
ハリマンボウ 攻1500
「うわあ、ははは……」
喜びの声らしきものを上げながらブルーの彼が発動したのは魔法カード、ソウルテイカー。相手のライフを1000回復させる代わりにモンスター1体を破壊する、割と癖の少ない通常魔法の除去カードだ。当然そのカードから出た光はハリマンボウを直撃し、そのまま後ろにいた僕にも命中する。
清明 LP4000→5000
「ハリマンボウ!これでがら空きか、クソッ」
「うおお……さらに、これ……」
空いたフィールドに召喚されたのは、3人1組で申し訳程度の鎧を着て見るからに痛そうな棍棒を担いだ、緑色の戦士。まさしくあれは、ゴブリン突撃部隊だ。そしてその姿が、みるみるうちに教室の天井に届きそうなほど大きくなっていく。あんなエフェクトがカード効果で起きるとしたら、間違いない。装備魔法、巨大化……相手よりライフが下の状態で装備された時、装備モンスターの攻撃力を元々の数値の倍にするという単純明快だがその分強力なカードである。
ゴブリン突撃部隊 攻2300→4600
「行けぇ!」
大きくなったゴブリンによる3連撃が、守ってくれるモンスターのいない僕の体を滅多打ちにする。4000以上のダメージを1度に受けて、ライフカウンターの数字もみるみるうちに減っていく。
ゴブリン突撃部隊 攻4600→清明(直接攻撃)
清明 LP5000→400
「あ痛つつ……案外やるじゃないの……!」
さすがはブルー、さっきのイエローとは格が違うという訳か。だけど今のダイレクトアタックのおかげで、巨大化のデメリット効果が発動する。というのも、あのカードはあくまでライフポイントで下回るプレイヤーが馬鹿火力で1発逆転を狙うのがコンセプトのカード。ライフポイントが逆転した
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ